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キュービックが大切にしている「インサイト」とは?インターンの大学生が分かりやすく説明!

※この記事は2023年8月に「現場体験型インターンシップ」に参加した東京都立大学の学生が取材・執筆したものです。


はじめに

はじめまして。東京都立大学1年のマエモリです。

「インサイト」

この言葉との出会いは、株式会社キュービックのホームページでした。

この夏私は、都立大学のキャリア教育の一環として現場体験型インターンシップに参加しました。インターン先がキュービックに決まり、訪問前の学習として企業研究をしようとウェブサイトを開いたところ、ミッションが

となっていたのです。そしてすかさず疑問が浮かびました。

インサイトって何??

ということで、インターンシップの機会を活かして、この謎に迫っていきたいと思います。

インテンションとはどう違うの?


キュービックでは、インサイトとの対比として「インテンション」という言葉を用います。この2つの言葉はどのように違うのでしょうか。

マーケティングに大きな影響を与えた経済学者であるセオドア・レピットは、次のような言葉を残しています。

「ドリルを買おうとしている人は、ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ」

この言葉に照らし合わせてインテンションとインサイトを考えてみると、次のようになります。

「ドリルが欲しい」→インテンション
「穴を開けたい」 →インサイト

「ドリルを買おうとしている人」は大抵の場合、ただ単にドリルが欲しいからではなく、穴を開けるという目的を達成するために買うのです。

……いや当たり前じゃないですか(笑)と思いますよね。

そう、インサイトは私たちが無意識に考えている真の目的のことだったのです!

朝食用の食パンを買いに行ったときに家に菓子パンがあったことを思い出してやめた、という出来事が私にもあったことを思い出しました。きっとこれは「食パンを買いたい」はインテンションにすぎず、「朝食が欲しい」というインサイトが満たされたため、行動が変化したのです。

インテンションに基づく行動は簡単に変わりうるのだと気づきました。

キュービックでは、なぜ「インサイトをつかむこと」が必要?

キュービックでは、デジタルメディア事業を行っています。

新しい価値を見つける比較サイト『your SELECT.』、暮らしをおいしく便利にするウォーターサーバーの比較サイト『ミズコム』、「もっといい求人」を探す人のための転職支援サイト『HOP!ナビ(ホップナビ)』など、累計50を超えるデジタルメディアを運営してきました。

読者(ユーザー)が、記事で紹介されている商品を購入したりサービスに登録したりするなどの行動を起こすことで初めて収益が入る、成果報酬型と呼ばれるビジネスモデルです。

そのため、最終目的となる「人の心を動かす」を達成するために、インサイトの正しい理解が重要です。

例えば私も、初めてのものを買うときはおすすめの商品がまとめられているウェブ記事を見て「私にピッタリじゃん!」と感じたものを買っています。記事が私のインサイトをつかみ、行動を促しているのですね。

また、他のデジタルメディアと差別化できる記事を書くためにも、インサイトに基づく独自の観点が必要です。他にはない情報が載っている記事は、読んでみたい!と思う方も多いと思います。

どうやってインサイトをつかむ?

インサイトをつかむための数ある手法から一部をご紹介します。

ウォーターサーバーに関する記事を書くためにママたちの座談会を開く。 

座談会形式だとママさんたちも気兼ねなく本音を話せそうですね!

脱毛サロンに関する記事を書くために、実際に脱毛サロンを開業してお客さんの話を聞く。

記事のために開業するという行動力には驚きですが、確かに近くで生の声を聞けそうです!

看護師の転職に関する記事を書くために、元看護師を採用して担当してもらう。 

実際に看護師経験のある人だからこそよくわかる胸の内がありそうです!

ちなみに、昨今ではオンラインのミーティングツールが普及していますが、キュービックでは直接会うことを大切にしています。

「インサイトをつかむ」というと難しく聞こえますが、必ずしも大きな行動を起こす必要はありません。むしろ日常会話の方が、インサイトにつながるような他者には話しづらいことを聞き出しやすいものです。

そういえば私も、大学で授業改善アンケートに答えたとき、教授に対して改善点を指摘するのは気が引けて、あまり本音を書けなかったことがありました……。いくら「成績には関係ない」と言われても、改まって文字にして伝えるのはハードルを感じますよね……授業後にさりげなく聞いていただけると話しやすいです、先生! (笑)

インタビューはどのように行う?

ここまでインサイトをつかむための数ある手法をご紹介しましたが、中でもインタビューを積極的に活用しているそうです。どのように行われているのか、担当者に聞いてみました。
                                      
Q. インタビューはどれくらいの頻度で行っているのですか?

A. 情報更新のために定期的に行っています。新しく記事を書くときには、一記事あたり数十人の方にインタビューすることもあります。

Q. インタビューではどのようなことを聞くのですか?

A. この記事を読んだのはどんなタイミングだったか、読んでどんな気持ちになったか、記事の良かった点と不便な点などの質問をあらかじめ用意しています。あとその他、インタビュー中に深堀りたいと感じたことをその場で聞き出します。

Q. インタビューの際に意識していることはありますか?

A. 相手を緊張させてしまうと本音が引き出せなくなるので、たくさん話してもらえるような空気を作ることです。年が離れた友達と話すような穏やかな空気を意識しています。冒頭でアイスブレイク(初対面の人との場やシビアな話題の前にみんなで雑談や軽いアクティビティを行い、空気を和らげること)を行ったり、相手の答えから話を膨らませて一問一答にならないようにしたり、さまざまな工夫をしています。

Q. 難しさを感じることは何ですか?

A. インサイトは相手自身も「これ!」と明確に言えるものではないので、自分も一緒に考えながら深堀って聞き出していくスキルが必要だと感じます。インタビュー中に相手の考えが変わったり、答えに詰まったりしている状態も重要なので、無理に間を埋めようとせず、誘導尋問にならないようにオープンクエスチョンを投げかけるように気を付けています。

また、インサイトをつかむ上ではユーザーへの感情移入も俯瞰の視線もどちらも大事ですが、その切り分けも難しいです。

インサイトをどのように記事に利用する?

せっかく記事を書くなら、できるだけ多くの人に共感してもらいたい!と思う方も多いのではないでしょうか。しかし実は、ターゲットの幅を広げすぎてしまうと結局誰にも届かない記事になってしまうんです。

文章を書き始める前に、インタビューなどを通じて獲得したインサイトをもとに、ペルソナ(特定の人物が想像できるような具体的なターゲット像)を設定します。

タイトルや本文にも、ペルソナの心を動かすような言葉を選ぶと、ユーザーの行動を促す記事になります。

また、記事のデザインもユーザーに合わせることが重要です。

みなさんもパッケージに惹かれてつい新商品のお菓子を買ってしまうことはありませんか?私はしょっちゅうです……(笑)デザインがヒトの行動を変えることを身をもって実感しました。

ウェブ記事も、同じ内容でも色やレイアウトによって読み手の感じ方は変化します。キュービックでは、デザイン案を複数作成してユーザーインタビューを行います。一番信頼できそうなデザインはどれか、一番クリックしたくなった色と位置はどれかなどを聞き、よりユーザーの心を動かせる記事になるよう編集を進めます。

具体例として、薬剤師と医師の転職サイトの例を紹介します。

薬剤師は女性の割合が多いため、緑などやわらかい色使いを採用したり、ファーストビュー(ウェブページにアクセスした際に最初に目に入る部分)に掲載される写真に女性を起用したりしています。

一方、医師の転職サイトでは男性ユーザーの割合も多いため、青や金などスタイリッシュで高級感のある色使いを採用したり、ファーストビューに掲載される写真に男性を起用したりしています。

記事をクリックして最初に自分と同じような立場の人が目に入ったら、なんか安心して、もっと読んでみようという気になりませんか? インサイトから導いたユーザー像に合わせたデザインは重要ですね!

まとめ

・インテンション=表面的、what インサイト=潜在的、why
・インサイトは、読者の行動を促すため&他の記事との差別化を図るために重要
・インサイトはインタビューや日常会話などさまざまな手法でつかめる
・インサイトを活用すると、ユーザーに合った言葉選びやデザインの記事を作れる!

以上、「現場体験型インターンシップ」に参加した都立大1年のマエモリが、自身の学びをお伝えしました。


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