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ノンデザイナーが挑む!画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテストを社内で実施してみたよ #イベントレポ

広告クリエイティブのデザインにおいて、画像生成AIの導入が本格化する昨今。

特にキュービックも扱う「インターネット広告」は、多種多様でリアルタイム性のある配信が可能。多くのデザインパターンが求められることもあり、生成AIの活用ニーズがより一層高まっています。

そこで2024年6月28日、キュービックの生成AI活用をさらに加速させるべく『画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテスト(以下「AI活用広告クリエイティブコンテスト」)』を社内開催!

実はこのコンテスト、ちょうど1ヶ月前オプトさん×Re Data Scienceさん×アドビさんが合同で開催されたもののアンコール。コンテストに参加したキュービックの若手メンバーが「ぜひうちでも開催していただけないか」と主催3社に頼み込み、念願叶ってキュービック版として再演に至りました。

今回はそのコンテストの様子をレポートします!

  • AIを使ってクリエイティブを作ってみたい人

  • 実際にディスプレイ領域でクリエイティブ作成に関わっている人

  • AI活用を社内で推進する人

  • AIに興味がある人 など

にとって、少しでもご参考になれば幸いです。

そもそも前身の「AI活用広告クリエイティブコンテスト」って?

このコンテストはもともと、「Adobe Express」のテンプレートや生成AIによる編集機能を用いてデザインのプロでない方々にも手軽かつ効率的に広告クリエイティブを制作できる機会を提供することを目的に、アドビ社×オプト社×Re Data Science社によって5月に開催されたものです。

「Adobe Express」のほか、オプト社とRe Data Science社が共同で開発した広告効果予測ツール「Open CTR Predictor」を利用し、参加者は戦略的な広告の企画から制作、効果分析までの一連のフローを体感できる内容でした。

なぜキュービックでもコンテストを開催することに?

さて、前段でご紹介したAI活用広告クリエイティブコンテストのキュービック版。

企画したのはこの2人。

▲倉嶋 将矢(くらしま・しょうや) キュービックで働くAIエンジニア
2001年、神奈川県横浜市生まれ。2024年に明治大学総合数理学部を卒業。2020年にインターンとしてキュービックに入社。2024年4月キュービックに新卒入社。
▲照内 勇輝(てるうち・ゆうき) キュービックで働くインターン
慶應義塾大学文学部4年。大学2年の1月、キュービックに入社。現在は主に、Web広告の企画・運用改善を担い、自身の担当ジャンルを業界1位にすべく奮闘中。長期インターンはキュービックが2社目。

今回のコンテスト開催までの経緯はどのようなものだったのか、話を聞いてみます。

ー アドビ社×オプト社×Re Data Science社主催のコンテストに参加してみて特に魅力を感じたのはどんな点でした?

倉嶋:AIツールを活用することで、デザインの専門知識がなくても短時間で高品質な広告クリエイティブが制作できる点です。この品質のクリエイティブをノンデザイナーでも作れるなら、会社としてできることが格段に増えると感じました。

照内:Open CTR Predictorで広告の効果を数値化して確認でき、どのデザインが最も効果的かを迅速に判断できるのもすごくいいなと。異なる職種やバックグラウンドを持つチームメンバーが集まり、それぞれの視点から意見を出し合って、新しいアイデアや戦略を生み出す過程も非常に刺激的でした。

ー そのコンテストを「キュービックでもやってみたい」と思ったのはなぜでしょう?

照内:実際にツールを使い、アウトプットするまでの過程をともにすることで、AIの持つ可能性を強く実感してもらえるのではと思ったからです。特にノンデザイナーのメンバーにとっては、新たなスキルや視点を獲得するいい機会にもなると考えました。

倉嶋:僕は社内におけるAI活用を推進する立場にありますが、まだまだAIの活用度合いには個人差があると感じています。ChatGPTくらいはみんなよく使っているけれど、それだけではもったいない。AIでできることはもっとたくさんありますから。

「これもあれもできるんだ!」「こんなに簡単にここまでできるんだ!」とワクワクしてもらって、このコンテストをみんなが実務でAIを使い倒すための起爆剤にしたいと思いました。

照内:コンテストはチーム戦になるので、異なる部署間のコラボレーションを促進するという意味でも良い場になるイメージもあって。いよいよやらない手はないので、すぐにアクションに移しました。

ー なるほど。そこからキュービック版コンテストをどのようにして実現まで?

倉嶋:まずは、コンテストの主催者であるオプトさん×Re Data Scienceさん×アドビさんに連絡を取り「キュービックでもAI活用広告クリエイティブコンテストを開催したい」と懇願しました。皆さん我々の熱意と目的を理解し、協力を快諾してくれました。

照内:既存の資料を使わせてくださったので、そこから当日までの準備はとても円滑に進みましたね。

ー それはありがたいですね。

今回キュービックでの開催にあたり、オプト社の阿部さま、Re Data Science社の高田さまにもお越しいただけました。せっかくなので、お二人のお話も伺いましょう。

▲阿部 一馬(あべ・かずま) 株式会社オプト
2017年 株式会社オプト入社後、半年でチームマネージャーに昇格。2018年に沖縄にあるオプトのクリエイティブチームを強化するため、沖縄へ移住し、2020年部長に昇格。2023年に自ら手を挙げ、ソリューション企画部へ異動。クリエイティブ領域におけるAI活用の推進を担うほか、新しいクリエイティブ制作フローを提案すべく、Open CTR Predictorを始めとした複数の新規事業を担当。
▲高田 悠矢(たかだ・ゆうや) Re Data Science株式会社 代表取締役社長
2010年 工学系修士課程修了後、⽇本銀⾏⼊⾏。景気動向や金融システムに関する統計分析業務に従事したほか、資金循環統計やGDP統計(内閣府出向時)の推計手法設計に携わる。2015年 株式会社リクルート⼊社。戦略策定のための統計分析や、リコメンドエンジンの開発、⼈事課題に対する統計分析・機械学習手法の適用、⾃社データを活用した経済指標の開発・発信など、データ起点のさまざまな取り組みの企画・実行を担う。2021年 Re Data Science株式会社を創業。機械学習技術を用いた新規事業企画・開発支援、データ解析等を行う。

ー「キュービックでもAI活用広告クリエイティブコンテストを開催させていただけないか」と相談をもらった時、どんなお気持ちでしたか?

高田さま:素直に嬉しかったですね!

阿部さま:同じくです。

というのも弊社でのコンテスト開催時、倉嶋さんと照内さんは大変意欲的に取り組んでくださっていまして。そんなお二人から今回キュービックさんでも開催したいというお話をいただき、光栄に思いました。

高田さま:ご存知ですか?照内さんも倉嶋さんも、前回我々が主催したコンテストでそれぞれ「最多検証数賞」と「グランプリ」をチームで受賞されているんですよ。

ー なんと!それは初耳です。

ー 本当ですね!

高田さま:照内さんにおいては「個人賞」もね!

しかもこの「個人賞」。実はもともと用意していたものではなく、私が当日“急遽独断で”用意したものなんです。本来のシナリオにない動きなので、突然そんなことをすると運営スタッフにも少なからず負荷をかけてしまうわけですが……(苦笑)

それでもなぜ私が当日にこんなことをしたかというと、照内さんの意欲・熱意・リーダーシップがあまりに素晴らしかったから。「これは何か自分もしないといけない。せめて個別に表彰して感謝の気持ちを伝えたい!」と感じ、個人賞を贈らせていただいた次第です。

そんな照内さんたちから今回ご連絡をいただいたので「即、全力で協力したい!」と返信しました。

ー 身内として非常に嬉しいお言葉とエピソードです、ありがとうございます。

スタート前に参加者続々、高まる現場の期待感

ー まもなくはじまりますが、開催を前に今どんなお気持ちですか?

阿部さま:前回私たちが実施したコンテストを他社で行った場合にはどのような違いが出るのか。その辺りはとても気になりますし、楽しみですね!

あとは、テンプレート等は私たちが用意したものなので、エラーなく無事イベントが進行してくれることを祈るばかりです……!

高田さま:やるからにはうんと盛り上げたいですし、私たちに協力できることはなんでもするつもりで臨みます!よろしくお願いします!

ー 頼もしいです、よろしくお願いします!キュービックの主催者二人はどんな想いでしょう?

照内:参加者全員がクリエイティブ制作の楽しさとAIの可能性を感じてもらえるような時間にしたいですね。頑張ります!

倉嶋:生成AIや広告効果予測AIといった最新技術を活用することで、広告制作の未来を体感し、自分たちの手で新しい価値を生み出そうと。そんな気運を高められたらと思います。

主催者たちの熱い想いに吸い寄せられるかのように、会場には参加者が続々と集まります。

はじまる前に参加者の声も少し聞いてみましょう。

ー 今回参加した目的は?

エンジニア:独力ではできなかったクリエイティブ作成をしたく参加しました。

新規事業開発:わかります。AIサービスの変化は早いからキャッチアップしなきゃとは思いつつも、サービス登録して触って学んでこう活かして、というのを一人でトライアンドエラーし続けるのは大変で……。まさにこうしてみんなで楽しみながらAIサービスに触れられる場を求めていました。

マーケター(SEO):コンテンツ制作の現場においてはAI活用の重要度が日に日に高まっていますからね。実際にうまく使えている人、知見の深い人と一緒に使ってみることで、AI活用の精度を高められるのではと。実務で活かせるAI画像生成方法を、今日はバッチリ習得したいです!

高まる現場の期待感とともに、コンテストが幕を開けます!

まずはツールを触ってみよう!

コンテストの作品づくりに入る前にウォーミングアップ。今回のAIツール活用がもたらす変化や利用イメージの目線合わせを倉嶋が進行します。

本日使うツールはこちらの3つ。

①アドビが提供する画像生成AI「Adobe Firefly」

②誰でもかんたんに魅力的なコンテンツを作成できるアプリ「Adobe Express」

③広告効果予測ツール「Open CTR Predictor」

これらの使い方についても倉嶋・照内が解説。参加者はそれを聞きながら、実際にツールを触ってみます。新しいツールはやっぱり「習うより慣れろ」ですからね。

▲数秒でこんな画像ができあがることに驚き!何より「楽しい!」というのが率直な感想です。

続いて、オプト社阿部さまによる「デザインのコツ」のレクチャー

被写体と状況、アングルとトリミング、文字組みのコツ、配色配合と着色方法、情報の優先順位などについて教えていただきました。

以上でウォーミングアップは完了!

いざ、作品制作!コンテストスタート!

いよいよお待ちかね、AI活用広告クリエイティブコンテストのはじまりです。目的と流れはこちらの通り。

参加者は3人1チームに分かれ、架空の商品を題材に、画像生成AIやテンプレートを活用して広告クリエイティブを制作します。そして、広告効果予測ツール「Open CTR Predictor」を活用してデザインの広告効果を予測し、どのようなクリエイティブが望ましいかを判断。このプロセスを繰り返し、最終的に最も効果が高いと判定されたクリエイティブを提出します。

さて、気になる今回のお題はこちら!

▲この架空商品を用いて広告を制作していきます

制作時間は2時間。各チームは、①アドビが提供する画像生成AI「Adobe Firefly」、②誰でもかんたんに魅力的なコンテンツを作成できるアプリ「Adobe Express」、③広告効果予測ツール「Open CTR Predictor」の3ツールを活用し、制作時間内にクリエイティブを完成させ、効果検証を行った上で作品を提出します。

さあ!どんな作品が生まれ、No.1に輝くのでしょうか!

インターン:「人間がアウトプットを描く→適切なプロンプトを入力する」というステップを踏む必要があるけれど、自分のなかでアウトプットイメージを描く作業は思っていたより難しいですね!

マーケター(広告):Open CTR Predictorを使って、バナーのクリエイティブPDCAをめちゃくちゃ回すのが超楽しい!仮説をもってすぐに検証できるというのはマーケターとしてワクワクする体験!

あちこちからいろんな声が聞こえてきます。

各チーム奮闘の末、生まれた作品群はこんな感じ!

気になる結果やいかに!?

結果発表〜!

いったいどの作品が、グランプリに輝くのでしょうか!

見事受賞したのは……

こちらの作品です!ジャンッ

お〜!なんと透明感のあるモデルさんの肌……!AIでここまでできちゃうなんてすごい!

ー ズバリ、評価ポイントはどんなところでしょう?

倉嶋:一番は”AIならでは”なクリエイティブに仕上げていたところです。鏡越しの自分を見ている画像、違和感は多少残るものの、ここまでのクオリティで出せているのがとても良いなと思いました。解像度の関係で本当は横幅が半分くらいだったと想定されますが、生成拡張を活用していることも見て取れたので、阿部さま・高田さま・照内・倉嶋の4名で審査の上、今回はこの作品を選ばせてもらいました。

ー あっぱれですね!ありがとうございます!

阿部さま、高田さま、今回キュービックでコンテストを開催してみて、前回開催時との違いや感じたことは何かありましたか?

阿部さま:キュービックの皆さんの生成画像のクオリティは高く、面白い作品が多かったように感じています。前回開催時は、良くも悪くもバナー広告っぽいものが多かったです。

高田さま:そうですね。それから、これはキュービックさまの社風かと思いますが、事前説明の段階から、実作業、最後の締めの時まで、終始、全員が楽しそうにワイワイ盛り上がっていたのが大変印象的でした。おかげさまで私もずっと楽しい気分で参加することができました!

阿部さま:今回も受賞チームはノンデザイナーでしたが、デザイナーであること(=良いデザインを作れること)と面白い・新しい企画ができることは違うなと、再認識いたしました。実現(アウトプット)のハードルを下げるAIの活用は、やはり、クリエイティブの世界に変化をもたらすものだと思います。

ー ありがとうございます。最後にキュービックメンバーへメッセージがあればお願いします!

阿部さま:改めて、この度はお招きいただきありがとうございました!キュービックさまの新しいものを取り入れる早さ・柔軟性は、弊社も見習うべき点です。ぜひ、今後も連携させてください!

高田さま:今回のコンテストで終わらず、また違うかたちでも協業・コラボレーションしていけたら嬉しいです!よろしくお願いします!

倉嶋・照内:ぜひともお願いします!!

コンテストを終えて

コンテスト終了後のアンケートでは、参加したキュービックメンバーからたくさんのポジティブな声が届きました。

想像以上に簡単に画像が作れて驚きました。想定していた作業手順よりずっと手軽に、効率的に、画像生成や修正などができて、実際の業務に応用できるイメージがわきました。意図通りに画像を作るためのコツも学べたので、今後バッチリ活用できそうです!

マーケター(広告)より

実践しやすい学びが多く得られて、非常に有意義な会でした。これまでは1つのAIツールで何度も往復してアウトプットまで至っていましたが、今後はMidjourneyで原案をアウトプット→Adobeで修正のフローで作成していこうと思います。マーケターもデザインのリテラシーやお作法を身につけていかなければと常々思っていましたが、今回を経てそれが確信に変わりました。頑張ります!

マーケター(SEO)より

結局AIも使い手次第だなと。同じツールの操作方法がわかっても、使い慣れている人や業界理解ある人が作ったほうが、圧倒的にクオリティが高いクリエイティブを作られていました。実際に今回イベントで登壇いただいた、Re Data Science株式会社の高田さんが作られたクリエイティブは「AIでなにができるのかの理解」「どんな企画にするか」「実際のイメージしたものをアウトプットとして生み出す能力」などで圧倒的な差を感じました。自分ももっともっと使い込んで、思考して、力をつけたいです。

デザイナーより

新規事業開発ではスピード感が大切。すぐにでもクリエイティブを作ってしまいたいと感じる場面がたくさんあります。そんな時に、AIツールを活用して今後の業務をゴリッと推進していきたい!

新規事業開発担当より

たったの2時間でここまでできるの?みんなやったらいいのに!!と思いました。今後、AIをパートナーとして共に歩むことの優位性は絶対なので、多くの人にこのことを伝えていきたいです。

エンジニアより

今回のAI活用広告クリエイティブコンテストは大成功だったといえそうです!

日々AIの有効な活用方法について模索されていらっしゃるオプトさん×Re Data Scienceさん×アドビさん。この記事をご覧になって「いいな!」「うちでもやってみたい!」と思われた方は、私たちのようにご相談をしてみては?

もちろん「キュービックさん、一緒にこんなイベントしません?」というお誘いも大歓迎です!お気軽にご連絡ください!

それではまた!


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