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【マーケティング解説】AIドリブンなデジタル広告の運用方法を5つのポイントに絞ってお伝えします

突然ですがデジタルマーケターのみなさん、こんな課題はありませんか?

・バナーによるCVR改善ができない…
・バナーの量産が全然できない…
・外部への発注する際の起案工数が大きい…

今回はこういったお悩みの解決方法を伝授します。

そもそも皆さんのなかには、継続的なバナークリエイティブのPDCAは本当に必要なの?と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。

結論、必要です!

  • 獲得見込みのあるユーザーにクリエイティブを当て続けるにはCTRの継続改善が必要※

  • 外部要因によって好調なクリエイティブでもパフォーマンスが悪化しやすい(枯れる)

  • 効果の悪いバナーをいかに早く止めてヒットバナーを生み出せるかが一番シンプルなディスプレイの改善方法

※ディスプレイ広告を出す際には、オークションでつけられるランクがあり、オークションランクを決める指標の一つにCTRが入っています。ランクが高いと掲載順位が高い面に配信できるので、CTRを改善し続けることによって、広告の掲載順位が高くなり獲得見込みの高いユーザーに当たりやすい(過去の配信実績からも掲載順位がUPすると、獲得見込みの高いユーザーも増える相関関係あり)

こういった理由が挙げられます。
しかし、こういった継続的なPDCAを頻度高く回すには、人的リソースが圧倒的にたりません。そこで登場するのがAIです。

デジタル広告におけるAIの活用が重要視される理由のひとつに、日々膨大に生成されるデータの存在があります。ユーザーがウェブサイトを訪れる度に発生する閲覧履歴、SNSでの「いいね」やコメント、ショッピングサイトでの購入履歴など、企業が取り扱うデータ量は年々増加しています。

この膨大なデータを、従来の手法で効率的に処理し、広告運用に活かすことは困難です。AIは、この膨大なデータを短時間で分析し、広告配信の最適化やパフォーマンスの予測を行うことで、マーケターの負担を大幅に軽減します。

とはいえ、ワークフローのどの部分にAIを活用したらいいのかわからない…
AIを有効的に活用するためにはどうしたらいいのか…

そんな皆様のお悩みを解決するべく、キュービックの広告運用におけるAI活用事例を一部ご紹介したいと思います。

マーケターの五十嵐大智(いがらし・だいち)さん、AIスペシャリストの倉嶋(くらしま・しょうや)さんにお話を伺いました。ふたりとも今年新卒で入社したメンバーです。


ーAIプロジェクトはどんなものでしたか?

五十嵐:AIを使ったバナー制作のプロセスを構築しました。まず、LP(ランディングページ)と一貫したターゲティングを行い、過去にうまくいったバナーのコピーを参考にしながら、ChatGPTで効果的な訴求文を考えています。

素材の生成には、MidjourneyやDALL-E 3、FireflyといったAIツールを活用していて、バナーの制作にはAdobe Expressを使っています。このツールなら、マーケターでも簡単に文言を変更できるだけでなく、新しいバナーも手軽に作成できるようになっています。

これまでバナーは週に2本程度が限界だったのですが、AI活用により14本とコンスタントに質のいいバナーを多く制作できるようになりました。

ポイント1:動画は変数が多く、AIとの相性が現時点ではよくない
改善できないものはスパッと諦めることも戦略のひとつ

ー1週間で14本も!?これだけ量産できると勝ちバナーも増えますよね。
プロジェクトは最初からスムーズに進行したのでしょうか?

五十嵐:最初は、Yahooのディスプレイの動画広告を作るところから始めました。マーケターが訴求軸や動画の構成を作って、デザイナーとともに動画広告を作るフローで行ったのですが、結果CPAは改善できなかったんです。

現時点では動画は変数が多く、AIと動画の相性があまりよくないということが判明しました。ゆくゆくAIの精度が上がっていけば、スムーズな動画広告も実現可能ではあるんでしょうが現時点では、まだ人の手で作ったほうがクオリティは高いですね。そこで動画広告は諦めて、静止画のバナーに移行しました。静止画のバナーだとXのような審査がはやい場所で、高速PDCAを回したほうが、今後のためになるだろうと考えました。

ポイント2:ワークフローを整理し、AIが使えそうなステップと人間がやったほうが良いステップに仕分けする

五十嵐:今あるワークフローをAIに代替できないかを常に考えていたのですが、型化がそもそもできていないものにAIを導入するのは大変です。
まずはAIうんぬんの前に、業務の型化・言語化が必須です。

五十嵐:静止画のバナーを作るうえで僕は特に、起案から制作までのフローのなかで起案までがネックになるなと思いました。これまでマーケターは感覚で起案まで行っていたことが判明しました。なんとなくこんなバナーが作れたらいいな、と思いながら作っていた。だからこそ、案を思いつくまでに時間がかかったんです。会社で内製するにしても、外注するにしても制作イメージを出すまでがマーケターにとって最もネックで時間がかかるところでした。

倉嶋:起案する段階でプロセスが明確になっていないから、どこにどうAIを活用したらいいかマーケター自身イメージできていなかったんです。だから、使いこなせない。全員同じテーマでアウトプット作ってくるのだけれど、やはりイメージ通り出すにはプロンプトを使いこなすことが必要でした。そこでマーケターがバナー制作をする際に起案するまでのフェーズを言語化し、特に赤字の部分がAIの力を発揮できるポイントと判断しました。

倉嶋:フェーズを明確に分けるとAIに期待する役割もわかってきます。

ただ、フェーズ②のメイン文言に関しては、AIに文言を発散してもらうだけですと精度は高くなく、読み込ませるデータや量どの順番でどのデータを与えるかによって大幅に変わってくることもプロジェクトのなかでわかってきました。

そこで文言の調整に1週間費やし、20回〜30回ほど検証を繰り返しました。そこで過去うまくいったLPやバナーをAIに読み込ませ、このフローでやればマーケター以外でもできるようなワークフローを構築しました。

▲倉嶋がプロンプト事例集を制作、この書き方に沿って入力すれば得たい情報をAIから取得することが可能

ポイント3:AIを導入することが目的ではない、手段の目的化に注意

ー大変な局面も多かったのでは?

五十嵐:目的を見失いそうになることですね。プロジェクトを進めるうちに、AIをどこに使おうかを血眼になって探すようになってしまいました。あくまでAIを使って、成果がでるようにならなければ意味がありません。手段の目的化に陥りやすかった。

あとは、フローを作ったので使ってください!というアプローチのみになると相手が受け身になっちゃうので、時間をとってもらって、構築したフローを使ってデスクの横で一緒に作る時間を設けました。これなら普段でも使えるかも、と認識してもらえ、普及の速度が加速したと思います。

ポイント4:デザイナーによる品質の担保ができない場合はデザインチェックリストを制作する! これにより、マーケターによる一気通貫のバナー制作も可能

五十嵐:実際にプロジェクトメンバーのデザイナーにデザインのチェックリストを作っていただき、最低限マーケターが自身である程度の品質の担保もできるようにしました。これまでマーケターとデザイナーで職種の違いによる知識・知見の差でコミュニケーションコストが嵩んでしまっていたので、デザイナーの方に作っていただいたリストは両者の業務をスムーズにする橋渡しとなりました。

ポイント5:AIは魔法ではない、いかに有益なデータを食わせられるかが勝負

ー実際にやってみていかがでしたか?

五十嵐:量と質があがりましたね。広告訴求のターゲットも人間が考えるよりも多くブレストできますし、発散と収束の「発散」の部分を主にAIに任せることでマーケターがその他の業務に注力できるようになります。

マーケターが起案・製作を行う上で、ステップが非常にわかれているのですべてをAIに担わせるのは難しいです。しかし、人間が作るときのプロセスを分解して、AIに任せられるところを探していけば、効率的に業務を構築できると思いました。

ーAIを最大限活用するために、どのようなスキルや知識が必要だと思いますか?

AIは魔法ではないので、有益なデータを食わせないとパフォーマンスが上がらないんです。だからこそ、社内で有益なデータを構築できるひとを見つけておくことも大事です。差分が出てくるのは”どんなデータを用意できるか”にかかっていると思います。

キュービックでは今後も社内で共有されたお仕事を前進させるためのTipsをコンテンツとして公開していきます。

それではまた!


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