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『就活は、正解選びではなく決断を正解にする』在籍30人から300人へ成長を経験した人事が語るベンチャーキャリアのあゆみ
社員’s profile
吉井 健吾(よしい・けんご)
2014年5月にインターンとしてキュービックに入社し、2016年に新卒入社。新規メディアの複数立ち上げ〜グロースを広く経験。金融領域のマネージャーを務めた後、2022年よりPeople Experience Office(人事組織)へ異動し、新卒採用や中途採用のマネージャーを担う。現在はメディア事業の事業部人事マネージャーとして、事業目標達成のための組織課題の特定〜解決(採用、育成、配置など)を担う。
”漠然と”就職するなら大手に、主語は誰?
ーキュービックに入社したきっかけや理由は何ですか?
キュービックとの最初の出会いはインターンでした。当時飲食店でアルバイトをしていたのですが、シフトが削られたり、1年働いても時給がわずかにしか上がらなかったりで、そろそろ別のアルバイトを探そうと思っていた頃でした。そんな時大学のサークルの同期がキュービックで働いており、紹介してもらったことがきっかけで、2014年にキュービックに入社しました。当時会社はまだ30人ほどの規模でした。
大学3年生になると就職活動が始まります。サークルの先輩たちは皆大手企業へ就職していたこと、親からも「浪人して早稲田に入ったのだから大手企業に行きなさい」と言われ続けていたこともあり、漠然と大手企業への就職が前提になっていました。当時キュービックで働いている仕事内容や会社の雰囲気そのものはとても好きだったのですが、大手企業へ就職する前提だったため、あくまで長期インターン先の会社、少人数も経験したから満を辞して大手へと解釈し、外資企業や日系大手企業を中心に就職活動を進めていました。
しかし、2つのきっかけから「自分にとって本当に大手企業に入ることが良いのか?」と疑問が生まれます。
一つは、エントリーシートや面接内での志望理由や入社してやりたいことなどの問いに対して、自分が大事にしたいこと以上に突破するために聞こえが良さそうなことを回答していたモヤモヤ。
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二つめは、キュービック初の社員総会。その時の代表・世一の発表パート内で「会社をアクセル踏んで大きくしていくこと・3年後利益を全てハり、大きなチャレンジを進めていくこと。やりたい人は一緒にやりましょう」というコメントがありました。
シンプルにその姿にワクワクしました。自分でもなんでこんなにも心が揺れているんだろうとわからないぐらいに。
その時、大手企業に行きたいということは、他人の期待を投影していたり、流されていただけで、自分が行きたいと思う理由がなかったことを自覚しました。「長男だし両親を安心させてあげたいから」「周りの友達が大手企業が多く、レールから外れたくないから」という、自分の本音とは別の観点で決めようとしていました。
とはいえベンチャーを全く受けていなかった中、代表の世一や当時の上司とご飯に行く機会があり、その時に「キュービックで一緒に働かないか?」と打診をもらいました。自分の本音にまっすぐ応えるならキュービック、一方で自分の本音に気づきつつも、大手企業のブランド(周りからの見られ方)を考えると、断ち切れない自分もいました。
この葛藤が1、2週続きましたが、キュービックに入社することを決めました。最終的には両親や友人軸で決めて、いざ違った時に他責で考えてしまうダサさ。自分の人生なんだから自分がいいと思ったところで決めた方がいい。またどちらに入社するにしても決断で決まるわけではなく、決断を正解にすることが両社どちらに入社するにせよ重要だと思えたこと。
決断を両親に伝えた際に、特に母親から「来年潰れてしまったらどうするの?大手企業に入ってからでもいいのではないか」と言われつつも私の心は決まっていたため、当時は半ば押し切る形で決めました。
余談ですが、結局入社当時は心配していた親も家族の日のイベントで社長やその他の従業員と会ってみると「新宿のこんなに大きなビルに入っているの!」「皆さん素敵な人たちね」とコロっと意見が変わっていました(笑)。周りの声はそんなものです。正解はあるものではなく、創っていくものだと思うので、周りの声に惑わされず、まっすぐ自分の本音に向き合ってもらいたいなと思います。
クライアント先に2週間常駐、答えは現場にある
ー仕事のなかで達成感を感じた瞬間を教えてください。
色々ありますが、特にマーケターとして弁護士相談のメディアを担当していたときのことです。私たちが運営するメディアのゴールは、ユーザーに電話やWEBでの申し込みを促し、そこから法律事務所への受任(契約)につなげることです。
ところが、メールで申し込んだユーザーが事務所からの電話に出ないという問題が頻発していました。
法律事務所としては、申し込みがあっても最終的な受任に至らなければ売上には繋がりません。成果報酬型メディアの場合送客がゴールですが、クライアントと私たち双方がWin-Winの関係を築けるような状態を作りたかったのです。
しかし、我々の立ち位置はメディアにユーザーを集客し、法律事務所への問い合わせに繋げる橋渡し役。問い合わせ先の課題はオフィスの中にいても分かりません。より事業成長のために本質的な課題を探るべく事務所へ出向させていただくことを相談させていただき、事務所のオペレーターと一緒に業務をこなすことで、課題を解決する手掛かりを得ようとしました。
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出向して2週間、私は事務所内でさまざまな業務を体験しました。オペレーターの仕事を自分も体験し、専門的な話は他の方に受け渡しつつ、クロージングトークをヒアリング。実際の相談者と司法書士の面談の様子を見させていただいたり、事務所で働く様々な方にインタビューさせていただく中で、事務所内の業務プロセスや課題の理解が深まりました。
この気づきをもとに課題を絞り、いくつかの改善案を実施しました。例えば、発信元番号の記載や電話先で何を話すのか具体的に明記したことで、ユーザーが安心して電話に出られるようにしたこと。特にお金にまつわる相談を司法書士にする際に「怒られる」という心理的ハードルがあることも分かりました。司法書士事務所としての想いや司法書士、相談員の紹介をすること、必ずしも電話だけでなくLINEで相談を受け付けてみることなど実施する運びとなりました。
これらの取り組みが功を奏し、ユーザーが電話に出ないという課題は劇的に改善され、コンバージョンも増加しました。LPでの発信内容も、ユーザーが安心できる情報を盛り込むことができました。今でもこの施策は続いています。
クライアントと同じ目的を追いかけているはずなのに、働く場所や立場が違うからこそわからないことがあり、ちょっとしたボタンの掛け違いで、集客や顧客の獲得がうまく行かないことがあります。今回はそこの垣根をこえて相手の立場に立って、事業成長を最大化するには何をすべきかを考えたことが良かったと思っています。
2週間の出向期間が終わるタイミングで懇親会を開いてくださり、そこで事務所の方々の「こんな悩みを持っている人たちを救いたい、こんな相談を解決してあげたい」という熱い想いをたくさん聞くことができました。「こんな人達とともに、仕事に熱中したい」「自分が一次情報を取りに行ったことは間違いではなかった」と強く思いました。
デジタルマーケターの仕事はWEB上で完結できるので机上で議論しがちですが、まさに答えは現場にあったのです。
人事適性、実はあった?マーケティング×人事で切り拓く新キャリア
ーなぜ人事へのキャリアチェンジを?
インターン時代から数えると、キュービックに所属して8年になります。マーケターのプレイヤーや、マネージャーと様々な機会を経験させていただきました。今後のキャリアを考えたとき、よりマーケターとして幅広い領域にも関わり、影響力を広げていきたいと思うようになりました。
一方、当時の組織方針は専門性を深めていく考え方だったため、キュービック外も含めて今後のキャリアを考えるようになりました。
そんなとき、偶然にも当時の人事役員から飲みに誘われ「人事に来ないか?」と打診されました。これが初めて“人事”というキャリアを意識した瞬間です。晴天の霹靂でしたが、改めて振り返ると、これまでの経験の中で人事的な役割を自然と担っていたことに気づきました。
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例えば、金融事業のマネージャーとして財務の立て直しを任されたとき。2021年、前任者の退職とコロナ禍の影響で業績は最低水準、赤字に転落。これまで黒字続きだったチームは、互いに責任を押し付け、疲弊していました。業績も組織も崩壊寸前。そんなチームを立て直すのが自分のミッションでした。
改めて3C動向を見た時に、大きく戦略方針は変える必要がないと感じ、課題としてはチーム状態に起因する実行力だと捉えました。
まずは、チーム全員で本音をぶつけ合う場を設け、100枚以上の付箋に思いを吐き出しました。かなり重たい空気が流れる時間ではありましたが、徹底的に膿を出し切ったこと、何を変えるのかがチームとして明確になったことで「ここから良くするしかない」と最後はポジティブな空気感に変わりました。また個々の意志とチームの方針を結びつけ、結果として業績はV字回復。会社の売上の3分の1を担うまでになりました。
この経験を振り返ると、事業部の中でも自然と人事的な機能を発揮し成果を創出していたと感じます。事業を深く理解した人事がいないからこそ、マーケターとしての視点を活かしながら、人事として貢献できるのではないか。人的資本経営が注目される中、人事が単に事業サイドのオーダーに応えるだけでは足りません。
30歳のタイミングで未経験職種に移ることはもう一度レベル1から始まる恐さもありましたが、目の前の人事役員が困っているのを助けたい、事業経験のある人間が人事に行くことで会社の前進に繋げられるという気持ちから、キャリアチェンジを決意しました。
キュービックは成長の余白を自分たちで埋めていける環境
ーファーストキャリアでキュービックを選ぶメリットは?
ベンチャー企業の立ち上げ期は、予算が十分にあるわけではありません。そのため、まずは現在の事業を拡大していくことが求められます。しかし、一方で成熟したメガベンチャー企業では、すでに事業の多角化が進んでいて、各ポジションの要職はすでに埋まっているのが現実です。
一方で、キュービックの今のフェーズは単一事業から多角化していくフェーズ。当然多角化していくにあたり、新規事業を生み出す・M&Aした企業をグロースする・既存事業をさらに進化させるなど、0→1・1→10・10→100の様々な事業フェーズに関わっていくことができます。加えてマーケター→新規事業やUXデザイナー、人事など職種を横断したチャレンジも多くなってきています。さらにこれから広げていくタイミングだからこそ、より大きな裁量に手を挙げ関わっていくことができます。
また、キュービックは経営との距離が近いことも特徴です。代表の世一との週末1on1が解放されており、手を挙げれば誰でも1on1をいれることができます。実際そこで事業提案をして形になったものもあれば、制度として見直されたものも多々あります。
新卒だから、と変に線を引くのではなく、全員で会社を創っていくという価値観が強いからこそ、誰でもフラットに会社を前進させるための提案を伝えられる環境です。自由と責任のバランスを持ち、主体性を発揮しながら会社を前進させられる最高の場所だと思っています。
旧カルチャーコード「PLAY MORE!」の復刻。ロマンとそろばんを両立できる会社でありたい
ーキュービックでの今後の展望やチャレンジしてみたいことは?
キュービックは現在、単一事業から多角化を進めるフェーズにあります。私自身は人事として、ヒト・組織の観点から会社をスケールさせることに全力を注いでいます。その一環として、私は全社横断プロジェクト「PLAY MORE!」のオーナーを務めています。「PLAY MORE!」はかつてキュービックのクレドの一つだった価値観で、「挑戦を通して仕事を楽しむ精神」を表しています。
このプロジェクトは手挙げ制で、私を含めた4人が立候補しチームを結成。代表の世一のもと、私がプロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体を推進しています。現在は、まず現状を把握するために3カ月間ヒアリングを重ねてきました。
特に感じるのは「熱量」の重要性です。論理的には納得していても、熱量がなければ行動につながらない。これまでのヒアリングを通して、発信自体は多いものの、それが行動には結びついていない現状が浮き彫りになりました。
多くのメンバーが「PLAY MORE!の考え方には共感する」と言いつつも、実際にどのように行動すればいいのか分からず足踏みしている状態だったのです。特に、組織のトップ層がどんな想いでこのプロジェクトに向き合っているのか、背景をしっかり伝えることが必要だと感じました。
実際に話を聞いてみると、「熱い想いを持っているけれど、それを言葉にして発信するのが苦手」というメンバーが多いことも分かりました。表には出てこないけれど、会社をより良くしたいという気持ちは確かにある。だからこそ、その想いを引き出し、循環させることが「PLAY MORE!」プロジェクトの役割だと考えています。
例えば、キュービックでは半年に一度総会が開催され、上司が部下の頑張りに涙するような感動的な瞬間もあります。しかし、その熱量が持続せず、時間とともに落ち着いてしまうことが課題でした。この熱を単発のイベントで終わらせるのではなく、日常に定着させることが重要です。
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また、会社の規模拡大に伴い、論理的思考の重要性が高まっています。しかし、論理だけが先行すると「できそうな範囲のことしかやらない」状態になりがちです。それが続くとどんどんつまらない会社になってしまう。ロマンとそろばんなどと表現したりもしますが、論理だけでなく、熱意や意志、willも大事にしていきたいと思っています。主体性と社会性を包摂し、キュービックだからこそ、こういうチャレンジをやっていきたいと皆がワクワクしながら突き進んでいける組織をつくっていきたいと思っています。
他人のものさしではなく、自分のものさしを大事にしてほしい
ー就活生にメッセージをお願いします!
就活生と面接させていただくと、就活軸が裁量を持てる環境、社会課題に関われる、海外に関われるなど大体似たようなものが出てくることが多いように感じます。働いたことがないからこそわからない部分もあると思う一方で、自分の本音ではなく、他人・会社の期待に合わせようとしてしまっているからこそ、ありふれた軸に着地していることが多い気がします。構造上、企業に合わせようとしてしまう気持ちもわかりますが、自分の本音を無視してしまうと双方にとって良いことにはつながらない。だからこそ、他人のものさしではなく、自分のものさしを大事にしてほしいなと感じています。
「親が安心するから」「周りと同じだから」「就活偏差値が高いから」などで決めた就職先でも、今の世の中、今後どうなるかわからないのはどこも同じ。結局どこの企業であれ、その決断を正しくできるのは自分次第です。
これは入社後も同様です。大手企業やベンチャー関係なく、仕事において自分で旗を立てて、試行錯誤しながら向かっていく過程そのものが仕事の面白い点だと思いますし、結果的にそれが自分のキャリアにつながるのです。
キュービックでは顧客の価値につながることなら、立場関係なく提案できます。新卒1年目でも代表の世一と1on1を通じ、会社をこうしていきたい、自分はこんなキャリアを築きたいと表明しているメンバーもいますし、実際に機会を得て推進しているメンバーもいます。新卒1年目だから、ということはあまり関係がなく、フラットな立場で意思をもってみんなで会社を創っていくのです。
キュービックは単一事業から事業を多角化させていこうとしているフェーズです。新たな領域に踏み出していく際には正解に早く到達すること以上に、自ら問いを立て決断すること、それを正解にしていくことが求められます。そういった機会に飛び込み、自分が会社を成長させていくんだという意志や熱量のある方に出会えることを楽しみにしています。
\ キュービックでは、一緒に働く仲間を募集しています! /
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