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念願の大手企業に入社「給与」「安定」「福利厚生」を手にしたものの足りなかった何か〜ベンチャーに出戻った社員が語る〜
社員’s profile
関谷慶(せきや・けい)
1994年、東京都出身。2017年、早稲田大学商学部卒業。2013年から2015年まで、キュービックで長期インターンとして在籍。人材領域のコンテンツメディアの運用担当としてグロースに大きく貢献し、月間・半期のインターンMVPを複数回受賞。新卒で大手保険会社に入社。3年間代理店営業に従事した後、2020年4月、中途社員としてキュービックに参画。
ゼミに入れず、大学生活手持ち無沙汰…何か熱中できるものが欲しかった
──キュービックとの出会いは?
長期インターンを始めたきっかけは、大学生活に物足りなさを感じていたからでした。サークルの代表は務めていたものの、希望していたゼミに入れず、手持ち無沙汰な時間が増えてしまったんです。「何か熱中できるものが欲しい」と思い、インターンを探し始めました。
そのとき目に留まったのがWebマーケティングのインターン。正直なところ、「怪しそう…?」という印象もありましたが、特に失うものもないし、とりあえず面接を受けてみることにしました。
実際に働いてみると、想像とはまったく違いました。まず驚いたのは、インターン生の多さと、みんなが堂々と仕事をしていること。そして何より、仕事を楽しんでいる人が多いことでした。それまで「仕事=苦役」だと思い込んでいた自分にとって、それは衝撃的な光景でした。配属先は薬剤師向けの比較サイト。SEOを担当し、自分がゼロから作ったコンテンツでユーザーが動く瞬間を目の当たりにしたとき、「こんなに面白いんだ」と感じました。その感覚は今でも鮮明に覚えています。
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ゼミに入れなかったことで自信をなくしていましたが「本気でやれば結果を出せるんだ」と思えるようになりました。気づけば仕事に夢中になり、会社に泊まり込むことも。和室やソファで寝るのも日常茶飯事でした。
ちょうどその頃、会社は急成長のフェーズで、新しいメンバーが次々と入社し、社内は勢いに満ちていました。自分の担当していたメディアも順調に成長し、前向きな熱量が社内に広がっていくのを感じました。そのエネルギーに引き込まれるように、仕事にのめり込んでいったんです。
就活軸は「お金」「安定」「福利厚生」念願の大手に就職したものの…
──就職活動はどのように進めましたか?
インターンの経験と就職活動は別のものとして考えていました。 当時の就活の軸はこの際なので正直に言うと「お金」「安定」「福利厚生」。インフラ、ガス、鉄道、保険業界といった安定した企業を中心に見ていました。ベンチャー企業でインターンをしていたわりには、かなり保守的な選択だったと思います。
その背景には、家族の存在がありました。自分は3人兄弟で、全員が私立に進学。そんな環境を支えられたのは、親が安定した企業に勤めていたからです。直接そう言われたことはなかったけれど、「将来、楽をするために今のうちに勉強しておけ」というメッセージを子どもながらに感じていました。
そんな価値観のもと、10月に保険会社の内定式に出席。一方で、キュービックの代表、世一、そしてマネージャー陣、上司からそれぞれ「一緒に働いてくれないか」と声をかけてもらいましたが、そのオファーを断りました。大手企業に入れば、頑張らなくてもある程度の安定と収入が約束されている。対して、キュービックで働くなら、自分の力で切り拓いていかなくてはいけない。ずっと戦い続け、頑張り続ける覚悟が当時の自分にはありませんでした。
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新卒で入社した保険会社では、代理店向けの営業を担当。「うちの商品を取り扱ってください」と交渉する仕事です。企業の環境にはギャップを感じることはなく、むしろ想像どおりのホワイト企業。給与も十分に支給され、家賃補助などの福利厚生も充実していました。
ただ、そこで気づいたのは、自分の気持ちとのギャップでした。キュービックでの仕事が楽しかった分、保険会社の仕事で困難な場面に直面したとき、乗り越えるためのエネルギーが湧いてこなかったんです。たとえば、保険商品の条件が代理店のニーズに合わず、取り扱ってもらえないとき。自分の力ではどうにもならない状況にぶつかったときに、「それでも頑張ろう」と思えなかった。
そのとき初めて「お金」や「福利厚生」だけで企業を選ぶことのデメリットを痛感しました。安定した環境にいることで、逆に仕事のモチベーションを見失ってしまったんです。
さらに、周囲の価値観にも違和感を覚えました。同期や周りの社員も安定志向が強く、会社の飲み会では愚痴が多い。楽しい時間ではあるものの、「ボーナスのために頑張る」といった発言を聞くこともあり、次第に気持ちが疲弊していきました。お金や安定、少なくとも自分にとってはそれだけでは頑張る原動力にならない。自分の中から湧き上がるエネルギーがなければ、長く続けられない——そう痛感しました。
「このままでいいのか」と思い始めたのは1年目の終わり頃。「転職するなら早いほうがいい」と考え、いくつかの企業の話を聞きに行きました。しかし、第二新卒歓迎とはいえ、新卒1年目で実績のない自分にとってはハードルが高かった。ほぼ研修期間を終えたばかりで、職務経歴書に書けることがほとんどなかったんです。
「ここにいるしかないのかな」と思う一方で、せっかくならこの環境で得られるものを得てから次に進もうと決意。まずは3年間、しっかりと経験を積むことを目標に切り替えました。
代理店営業を続ける中で、学べたことも多くありました。特に、関係構築の大切さを実感しました。代理店の担当者は人情に厚く、筋を通すことに厳しい人が多い。そんな環境の中で、どう信頼関係を築くか、どうしたら仕事を前に進められるのかを学びました。また、保険業界は金融業界でもあるため、社内の決裁フローが厳格で、何を進めるにも多くのステップが必要です。社内稟議の仕組みや、事業を前に進めるためのプロセス構築を学んだのは、今でも自分の武器になっていると感じます。
そして3年が経ったタイミングで、ついに転職活動を始めることを決意しました。
新卒時とは真逆の軸で転職活動開始、飲み会の翌日に送られてきたMessenngerでの一言
──なぜ出戻りを?
実は、転職活動を始めたとき、キュービックはまったく選択肢に入っていませんでした。新卒のときにオファーをもらいながらも断った負い目があったからです。
転職では、新卒時とは真逆の軸で企業を探しました。安定を求めて入った大手企業で働く中で「そもそも安定って何だろう?」と考えるようになったんです。今は盤石に見える企業でも、いつ斜陽産業になるかわからない。実際、保険業界の福利厚生も以前より弱まっていました。どんな仕事でも楽な瞬間はない。それならば、自分が働く意味や意義を実感できる環境でなければ、長く続けられないのではないかと思いました。
そこで、成長フェーズにある企業を中心に、マーケティング職に絞って転職活動を進めました。大学では商学部でマーケティングを学んでいて、「モノってこうやって売れるんだ」と衝撃を受けた記憶があったので、やるならマーケだろうと。
いくつかの企業の選考が進む中で、「何を成し遂げたいのか?」とフィードバックを受けることがありました。確かに、どの企業でもいいわけではなかった。心に正直になって考えると、「この会社を大きくしたい」と思えなければ、また同じ壁にぶつかる気がしたんです。
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そんなとき、年始にキュービックのメンバーと飲みに行きました。話しているうちに、ふと「キュービック、戻りたいかも」と口をついて出てしまったんです。その翌日、FacebookのMessengerに一通のメッセージが届きました。送り主は、社長の世一。「戻ってこないの?」たった一言だけ。でも、それが自分の心を大きく動かしました。
その流れでオフィスを見学しに行くと、かつてのインターン時代よりもさらに進化していて、変わらず熱量のある環境が広がっていました。「この会社より大きくしたいと思える企業は、ほかにない」。そう確信し、最終的にキュービックへの復帰を決めました。
──戻ってみてどうですか?
めちゃくちゃ楽しいですね。自分の仕事が、そのまま会社の成長に直結する感覚があります。何か課題や不満があったとしても、「どうしたら改善できるか?」と自分から動きたくなる環境。それが、今の自分にとっては何より大切だと感じています。
また「リスペクトできないな」と思う人がいません。これはキュービックの働き方の大きな特徴だと思います。仕事をする中で、人が原因でストレスを感じることがほとんどないんです。ビジネスモデル的に個人でできることが限られているからこそ、チームワークが前提になっている。互いを尊重しながら、同じ方向を向いて進める環境が整っているのは、キュービックならではの強みだと感じます。
さまざまなステークホルダーを束ね、関与するものを決めていく、マーケットの開拓で目指す二桁億
ーどんなお仕事をしていますか?
現在は MP(マーケティングパートナー)事業部 に所属しています。キュービックといえば、自社で運営するメディアが中心ですが、MP事業はそのメインストリームとは少し異なります。キュービックが運営するサイトは、あくまで第三者的な視点でユーザーとクライアントをつなぐものですが、MP事業では 「クライアントの集客を代行する」 立て付けになっています。
具体的には、
・クライアントの集客課題をヒアリング
・SEOのノウハウを活かした集客支援
・クライアントと連携し、オウンドメディアの企画・運営などを行っています。
営業部の中には、マーケティングチームとアカウントプランニングチームがあり、新規クライアントの分析や商談、既存クライアントのブランディング戦略の策定、オウンドメディアの企画・運営といった業務を担っています。
現在、自分が担当しているのは 6社ほど で、業界も美容医療クリニックや探偵事務所やリフォーム業界などバラバラ。まだ事業規模は大きくないですが、しっかりと売上が立っている状態です。
クライアントごとに事業課題が異なるため、毎日インプットの幅が広がるのが面白いところですね。マーケティングやブランディングの知識を活かしながら、事業理解を深める力が試される仕事だと感じています。
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ー仕事をするうえで心がけていることは?
常に意識しているのは「自分で決めにいく意思を持つこと」です。
これまで大きなクライアントと一緒にメディアを作る機会があり、入社してから1年足らずで、メディア構築のPM(プロジェクトマネージャー)やグロースの責任者を任されました。クライアントは50歳くらいのコンテンツ制作に精通した百戦錬磨の方だったので、正直、要望を聞いて反映していけば良いという状況でした。しかし、当時の上司からは「リーダーとして、こうすべき、こうしたいという意思がなければ何も生まれない」とフィードバックをもらいました。
このフィードバックから、自分で決めに行く、という意思をもつことが大切だと感じました。様々なステークホルダーを束ね、関与するものを決めていく。そして、どんなステップで進めていくか、どう着地させるかを考えながら進めていくスキルが身につきました。
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ーキュービックで今後チャレンジしたいことは何ですか?
短期的には、現在の部署を 少なくとも二桁億規模 に成長させることを目指しています。長期的には、会社がさらに成長するフェーズを再び経験したいと考えています。今、キュービックのステージが変わり主力事業に匹敵する新規事業を作る必要があり、そのためにも今の事業をPMFのフェーズまで持っていきたいです。
面接ではシンプル・ショート・ストレートに情報を開示すること
ー就活生に向けてアドバイスをお願いいたします。
スキルよりも、「リーダーシップを発揮しようとする姿勢」を大切にしてほしいですね。
仕事のなかでは複数のステークホルダーが関わり、正解がない状況で意思決定をする場面が多くあります。だからこそ、自分なりに決めてみること、そしてその決断に向き合う力が求められます。
また、「自分をどれだけ理解しているか」も重要です。自分がどんな人間で、どんな価値観を持っているのか。それを言語化できないと、面接官も判断できません。結局、「よくわからないから落とす」ことになってしまう。だからこそ、積極的に情報を開示し、自分を伝えることが大事です。
キュービックの過去の内定者を見ても「キャラクターが明確に伝わる人」が評価されています。このキャラクターが今の会社に必要だ、と言えるくらい、自分を理解し、それを伝えられる人が重宝されるのではないでしょうか。
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面接の場では、「3S(シンプル・ショート・ストレート)」を意識するのもポイントです。話したいことを一方的に伝えるのではなく、「面接官が聞きたいことに答える」ことを大切にすると、より良いコミュニケーションが取れると思います。
また学生時代にやっておくといいなと思うのは代表の世一もよく言っていますが「利害関係のない知り合いをつくること」。これはすごく大切です。ビジネスの世界に入ると、どうしても関係性に利害が絡むことが増えます。でも、学生のうちなら、純粋に自分の興味や価値観で人とつながれる。そうした人間関係が、長い目で見ても自分の財産になります。だからこそ、意識的にそういうつながりを作っておくことをおすすめします。
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