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経営者&役員11人に聞いた『2024年わたしが読んでよかった本BEST3』を教えちゃう!“奇跡の9連休”な年末年始にハズさない読書をしたいけど自分で選書は面倒〜というあなたに贈る厳選書籍33冊+α

師走はね、バタバタしとかないと。どうもキュービック10年選手、PR担当のなおきょんです。

いよいよ年末年始がスグそこに!ことし(2024-2025)の年末年始といえば、昨年末からSNSで“奇跡の9連休”なんて騒がれるほど話題ですよね。

こんなに美しい休日の並びがあっていいのだろうか。
惚れ惚れする。

そんな“奇跡の9連休”。うだうだするにはあまりに贅沢すぎる日数ゆえ、「せっかくなら読書でもして過ごそうかしら」と考える、知的好奇心旺盛なビジネスパーソンも少なくないのでは?

(はたまた、ことし全然読書できなかったことを今にして悔いて「年末年始でなんとか“知”を取り返そう」と足掻く、私のようなゆるキャラビジネスパーソンも少なくないのでは?

でも、自分で本を選ぶのは面倒だし、できれば誰かに道幅を狭めてもらいたい。せっかくなら一定の審美眼ある誰かが最近読んでよかったと思うものをおすすめしてはくれまいか。

わかりますともそのキモチ。ということで、なおきょんからちょっと遅めのささやかなお歳暮です!

『2024年わたしが読んでよかった本BEST3』をキュービックグループの経営者&役員11人に聞いてみました。ので、今回はその選書リストを差し上げちゃう!

“奇跡の9連休”な年末年始にハズさない読書をしたいけど自分で選書は面倒〜というみなさま、ぬるっとお役立てください。厳選書籍33冊(おまけ付)です。


株式会社キュービック 代表取締役社長 世一 英仁

1981年、埼玉県さいたま市生まれ。東京大学法学部卒業後、司法試験に打ち込むかたわら、ひとりでデジタルマーケティング事業をスタート。2006年にキュービックを創業し、代表取締役社長に就任。ヒト起点のマーケティング×デザインが特長。表面的なニーズではなくインサイトを的確に捉え、人々をよりスムーズな課題解決体験へと導く。現在は、グロービス・マネジメント・スクール「クリティカル・シンキング」講師も務めている。

<第1位> 会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために / 石井 光太郎(ダイヤモンド社 , 2022)

【どんな本かを一言で!】
『経営』という言葉の意味を考え直すことを投げかけてくれる本

【どんな人にオススメ?】
創業5年以上経って「自分が作りたかったのはこういう会社だったのか?」と迷いが生まれた経営者、もしくはその近くで働く人

【何がよかった?】
KPIを管理し、PDCAサイクルを回し、投資効率の高い取り組みにリソースを分配し……といったサイエンスとしての経営技術が高まっていくと、創業時の想いや一人の人間として大事にしたい熱源の在処が徐々に損なわれる・わからなくなると感じることが増えるが、そうした経営や創業の原点に立ち返るキッカケを受け取れた。国内にすでに数百万の企業がある中、論理的・合理的な判断に終始するのは自社が存在するべき理由を損なうことでもあると気づき、自身のパッションにもっと正直にあろうと思えた。

<第2位> Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー / 小栗 隆志(日経BP 日本経済新聞出版 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
Z世代の特徴を踏まえた上で組織に定着させ活躍させるための考え方について解説した本

【どんな人にオススメ?】
若手のマネジメントに苦しんでいる人全般

【何がよかった?】
若手のマネジメントに関しては腫れ物に触るように慎重に気を遣わないといけないような話が多い中、仕事・会社・組織などに関する当たり前の概念を正しく伝達することをマネジメントの起点とすべきであり、そうすることでうまくいくはずという観点を手に入れられるため、昭和型の自分もマネジメントに関する勇気を持つことができた。

<第3位> 人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法 / アーサー・C・ブルックス , 木村千里(SBクリエイティブ , 2023)

【どんな本かを一言で!】
人生の後半を充実させるための考え方を教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
40代のビジネスマン

【何がよかった?】
自分も40歳を過ぎて体力だけでなく能力の衰えを感じつつあったところ、若い頃とは違った武器・戦い方を使えば価値を発揮していくことができるというヒントを得られた。年の功をむしろ効果的に発揮することで老害にならず周囲に貢献する方法がわかり、アジェンダへの取り組み方や優先順位がかなり変わった。仕事への向き合い方も楽になった感覚。

株式会社キュービック 執行役員/メディア事業本部本部長 石井 束査

2003年、株式会社コーエー(現コーエーテクモゲームス)入社。新卒採用、ゲーム企画を経験。2007年、株式会社リクルートエージェント入社。キャリアアドバイザー、法人営業を経験した後にWEBマーケティング部門に異動。コンテンツマーケティング部門のマネジャーを経験。2019年11月、キュービックへ入社。事業企画を経験後、現在はメディア事業本部本部長を務めている。

<第1位> 仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法 / 内田 和成(東洋経済新報社 , 2006)

【どんな本かを一言で!】
仕事のスピードと質を上げるには仮説思考が大事だということを教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
仕事のスピードや質を高めて大きな成果を上げたい人

【何がよかった?】
本書を読んだその日から自分の行動を見直して実践することができ、なおかつその効果を強力に感じられるのが良かったです。また、その継続により自身の仮説構築力の向上も実感できるはずで、中長期にわたってビジネスパーソンとしての基礎能力を鍛えることができるのが素晴らしい点です。

もともと私が20代中盤だったころに読んでおり、それを読み返した形です。今年キュービックのメンバーから「もっと爆速で成果に繋げるためにどうしたら良いか?」と問われて真っ先に思いついた本でした。

WEBマーケティングをやっていると、量を回して当たりを見つけていくプロセスに慣れてしまったり、得られるデータが無限に近い量あるので、とりあえず作る・分析するという行動から始めてしまいがち。そういった現在の私たちの課題感にフィットした本でした。

<第2位> ベンチャーの作法 ー「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術 / 高野 秀敏(ダイヤモンド社 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
ベンチャーで期待されている結果を出すための「作法」が率直に解説されている本

【どんな人にオススメ?】
大企業からベンチャーに転職したいと思っている人、ベンチャーでのエース社員や役職者になりたての人

【何がよかった?】
ブラック企業と言われることを気にしてしまったり、Z世代とどうコミュニケーションするか悩んだりすることもありますが、「結果を出すために必要なこと」を改めて再認識させてくれました。

結果を出すことで評価され、裁量が増えていく。最初からやりたいことをやらせてもらえたり、裁量多くもらえたりすることもあるかもしれませんが、基本的には結果→裁量の順番です。そして結果を出すためには何でもやる、結果が出るまでやり切ることが大事。

改めて言われるまでもない至極当たり前のことですが、結果にこだわり切れていない自分に気づかされました。

<第3位> コンセプトの教科書 あたらしい価値のつくりかた / 細田 高広(ダイヤモンド社 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
サービスやプロダクトのコンセプトをつくるプロセスを事例とともに解説している本

【どんな人にオススメ?】
新しいサービスやプロダクトの開発を推進する立場にある人、今あるサービスやプロダクトの大きな進化を推進する立場にある人

【何がよかった?】
サービスやプロダクトのコンセプトづくりに必要なプロセスが漏れなく解説されています。今年自身が関わったメディアを大きくアップデートさせる過程で参考にしました。

コンセプト立案に必要な「問い」が網羅されているので、考えるべきポイントが明確になります。思考が行き詰ったときも有名なサービスの「回答例」があるので、それを参考にできるのも嬉しいところ。

もちろん、このプロセスをたどれば必ず良いコンセプトにたどり着けるわけではありませんが、このプロセスをたどれば対象への思考や他者との議論を深められます。キュービックが運営する「ミライトーチ」のサービスコンセプトも、この本のおかげで無事に完成しました。

株式会社キュービック 執行役員/CDO 篠原 健

1972年、長野県茅野市生まれ。映画製作会社に新卒入社後、株式会社博報堂i-studio、株式会社McCann Erickson Japanなどで、映像やスチル、デジタル、紙媒体などの企画からデザイン、アートディレクションを手がける。2012年株式会社ドリコムに入社。クリエイティブ領域の執行役員として、既存事業・新規事業に跨るデザイン・アートディレクションの他、デザイナー採用の戦略設計・実行も兼任。その後、株式会社Speee、株式会社NextBeatではCDO(Chief Design Officer)として、全メディアのアートディレクション、CI・VI刷新などの企業ブランディング強化、クリエイティブ組織開発などを経験。2019年3月キュービックへ入社し、CDOに就任。「デザイン経営」を実行する。

<第1位> リサーチのはじめかた ――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法 / トーマス・S・マラニー , クリストファー・レア , 安原 和見(筑摩書房 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
「自分は一体何をしたいのか」という悩みへの回答となるような技術が山ほど詰まっている本

【どんな人にオススメ?】
自分が何をしたいかわからない人

【何がよかった?】
研究の本質は「問いを見つけ、育て、深めるプロセス」。その重要性が実践的なかたちで解説されています。テーマの具体化や問いの鍛え方、自分中心的アプローチの意義を丁寧に紐解き、研究者だけでなく、好奇心を持つすべての人に「自分の興味を起点に世界を探求する方法」を教えてくれます。

<第2位> 余白思考 アートとデザインのプロがビジネスで大事にしている「ロジカル」を超える技術 / 山崎 晴太郎(日経BP , 2024)

【どんな本かを一言で!】
柔軟な考え方「余白思考」を通じて、期待を超える成果を生むことを提案してくれる本

【どんな人にオススメ?】
新しい価値観や視点を学びたい人、物事の本質を捉えて成長するためのヒントを求めている人

【何がよかった?】
「余白」の再定義の必要性を感じさせられます。「余白」とは、単なる空間ではなく、可能性や重要なものを守るための意図的なスペース。ポジティブな可能性の領域として捉え直す視点と忙しい日々で余裕を取り戻すための具体的なアイデア(即断即決の重要性や、余白を広げる行動)などを授けてくれ、改めて余白を大切にしようと思えます。

<第3位> ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる / ジム・コリンズ , ビル・ラジアー , 土方 奈美(日経BP , 2021)

【どんな本かを一言で!】
不確実な現在において未来へどう備えるかを考えさせられる本

【どんな人にオススメ?】
組織や会社について学びたい人、リーダーを目指す人

【何がよかった?】
学びが多すぎて、この1年で3回読みました。どの会社においても当てはめられる、汎用性の高い学びが詰まっています。ビジョンや戦略の明確化、リーダーシップの在り方、変化への対応力など、私たちは不確実な現在において未来へどう備えるべきなのかを教えてくれる。抽象的な理想論ではなく、実例を交えた具体的な方法が惜しみなく書かれている点も最高です。開く度に発見があり、今後も定期的に読み直し続けたいと思える一冊です。

株式会社キュービック 執行役員/グループ戦略本部本部長 川俣 理晶

1971年、千葉県出身。明治大学商学部を卒業後、株式会社オンワード樫山に新卒入社。2000年楽天株式会社に入社。楽天市場事業部門長、楽天リサーチ事業副事業長などを歴任し、2009年に楽天リサーチ株式会社取締役に就任。マーケティングリサーチおよび営業部門の責任者として、採用実務、人事制度設計から事業計画までを担当。2012年オイシックス株式会社に入社。人材企画室長として、新卒・中途社員の採用管理、人事制度設計、新人社員・ハイレイヤー向け研修を含む社内人材の育成などに従事。2014年ファッションテックのアイエント株式会社にCOOとして参画し、新規事業の開発・計画、外部からの資金調達、PR活動など幅広く担当。2017年キュービックへ入社し、新規事業開発、人事、経営企画などを管掌。現在は、グループ経営を担当する。

<第1位> 全社戦略 グループ経営の理論と実践 / ウルリッヒ・ピドゥン , 松田 千恵子(ダイヤモンド社 , 2022)

【どんな本かを一言で!】
グループ経営の理論と実践について書かれた本

【どんな人にオススメ?】
グループ経営に今関わっている人、グループ経営に将来的に関わりたい人

【何がよかった?】
『全社戦略』を学術的視点と実務的観点の両方から解説。特に『グループ経営』に焦点を当て「どのように戦略を策定し、実践していくべきか」について、豊富な事例と体系立てた理論で議論されています。

「事業戦略と全社戦略って違うんだよ」と言われて「そうそう!」と思える立場の人って世の中にそう多くないのかもしれません。しかし、『全社戦略』は企業が成長をしていく上で欠かせぬもの。単一の事業の中でも複数のカテゴリがあればそれと近いものが求められるでしょうし、ここで語られる内容はなかなか応用が効くものだと思います。「大課長と部長の違いとは?」などを考えてみても面白いです。

<第2位> GE帝国盛衰史 「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか / トーマス・グリタ , テッド・マン , 御立 英史(ダイヤモンド社 , 2022)

【どんな本かを一言で!】
20世紀のアメリカを象徴する巨大企業・ゼネラル・エレクトリックの栄光と凋落を描いたノンフィクション本

【どんな人にオススメ?】
一過性ではなく成長し続ける会社をつくることを志すビジネスパーソン

【何がよかった?】
GEというアメリカの象徴的な企業の成長過程における成功とその後の衰退を通じて、企業経営の成功要因と失敗要因を深く掘り下げています。カリスマ的に語られたジャックウェルチとその後継者のイメルトという対照的なリーダーのスタイルを比較し、経営戦略の長所と短所を浮き彫りに。過度な事業多角化、リーダーシップの影響など、現代企業が直面する多くの課題について考えさせられます。

<第3位> M&A経営論 ビジネスモデル革新の成功法則 / 宮原 博昭(東洋経済新報社 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
学習と科学の看板商品を失った学研がV字回復を果たしたストーリーが描かれる本

【どんな人にオススメ?】
M&Aを「企業を買うための技術論」ではなく「相互成長のための実践的な手段」として考えたいビジネスパーソン

【何がよかった?】
M&Aについての技術論ではなく、宮原氏が学研を4期連続赤字からV字回復させた経験に基づいており、理論だけでなく実践的な知見が豊富に盛り込まれています。買収という概念、欧米型の「弱肉強食」ではなく「対等に融合を図るM&A」を通じ、相互尊重と信頼関係の構築を重視しながら成長していく企業体づくりについて共感しました。 

株式会社アーク・コミュニケーションズ 代表取締役社長 小倉 永俊

1976年、奈良県奈良市生まれ。株式会社マイナビにてPC雑誌の編集を担当した後、広告代理・採用支援会社に転職。会社案内、入社案内、広告制作ほか、採用メディアのWEBマスターを担当。2006年にアーク・コミュニケーションズに入社。一般書籍・雑誌など版元の出版物を制作するほか、企業の年史、広報誌など幅広いジャンルで統括ディレクターを務める。2023年より同社の代表取締役社長。

<第1位> 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 / 情報文化研究所 , 山﨑 紗紀子 , 宮代 こずゑ , 菊池 由希子 , 高橋 昌一郎(フォレスト出版 , 2021)

【どんな本かを一言で!】
「なぜ人はときどき不思議な行動をするのか」が腑に落ちる本

【どんな人にオススメ?】
対人コミュニケーションに悩んでいる人

【何がよかった?】
人間の思考回路って人それぞれです。例えば良いことをしているんだから、少しくらいズルをしても大丈夫! と思う人、自分にとって都合のよい情報は信じるけど、反対意見は無視する人。人の話を否定する時、論点ではなく、論者の性質を批判してくる人。そんな思考の偏り(認知バイアス)をわかりやすく解説してくれる本です。

私はそれなりにオッサンなので、そういった人への対処法はある程度身につけていますが、この本は「相手がなぜそう考えるのか」を論理的に解説してくれるので、いざという時、冷静に対処できるようになります。

例えば、議論がヒートアップしてきた時に「それを言うなら、あなたも」と言う人は「お前だって論法」の使い手、無関係の2つの出来事を無理やり結びつける人は「迷信行動」マスター。この本を読めば、「そういう思考回路なのね」と納得でき、感情的にならずに対処できます。

ただ、こうやってあれもこれも「バイアスだ!」とレッテルを貼るのも、それ自体がバイアス……、バイアスは奥深い。

<第2位> 心療内科医が教える本当の休み方 / 鈴木 裕介(アスコム , 2023)

【どんな本かを一言で!】
「休む」にも“戦略”が必要だと教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
ストレス過多の人 & 子育て中の親御さん

【何がよかった?】
ストレスの対処法を6つのカテゴリに分け、自分に合うストレス解消法を教えてくれるのが面白かったです。こちらの本によるとストレスの対処法は以下の6つ。

・Belief(信念・価値)
・Affect(感情・情動)
・Social(社会的)
・Imagination(想像力)
・Cognition(認知)
・Physiology(身体)

対処法は状況に応じて、複数の方法を組み合わせたり、使い分けたりするのがよいとのこと。

例えば、私は散歩や温泉で体をリフレッシュするPhysiology(身体)と、美術館に行ったり、写真を撮ったりするImagination(想像力)でストレスを解消するタイプです。一方、うちの子どもは休日は家で過ごし、ひたすら話したり、絵を描いたりしています。つまり、Social(社会的)と、Imagination(想像力)でストレスを解消しています。

この違いに気づいたおかげで、「せっかくの休みなんだから家族と話してばかりでなく、外に行けば?」という親の押し付けをやめ、子どもの休み方を尊重できるようになりました。

休むって意外と奥が深いです。自分にあった休み方を知りたい人におすすめです。

<第3位> 人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 / 篠田 謙一(中央公論新社 , 2022)

【どんな本かを一言で!】
古人骨に残されたゲノムから、人類の足跡をたどる本

【どんな人にオススメ?】
進化人類学が好きな方

【何がよかった?】
人骨に残るDNAをもとに、ホモ・サピエンスの歴史を解き明かす本です。印象的だったのは、ベストセラーの『サピエンス全史』で語られた「認知革命」という概念に疑問を投げかけていること。「認知革命」は約5万年前に起こった人類史の転換点で、この時期に言語が発達し抽象的な概念や未来の計画、神話を共有できるようになり、他者と協力できるようになったとのこと。しかし、『人類の起源』では、「進化はもっとゆっくり進んでおり、革命とはいえない」と、発掘調査の成果をもとに科学的な見解が示されています。このように、常識が覆される瞬間こそが人類学の醍醐味です。

私が子どもの頃はネアンデルタール人が絶滅し、ホモ・サピエンスが繁栄したというのが一般的な説でした。しかし、現在の定説によれば、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは一部共存し、さらにデニソワ人という別の人類も存在していたと考えられています。最新のDNA解析でわかる日本人のルーツなども紹介されているので、人類学の知識をアップデートしたい人におすすめの一冊です。

<番外編>

ダニー・トレホのタコスを喰え! 「最凶」の漢による「最高」のL.A.スタイル・メキシカン・レシピ75 / ダニー・トレホ , 加藤 輝美(晶文社 , 2023)

スヌープ・ドッグのお料理教室 ボス・ドッグのキッチンから60のプラチナ極上レシピ / スヌープ・ドッグ , Ryan Ford , KANA(晶文社 , 2022)

ルポ路上生活 / 國友 公司(KADOKAWA , 2021)

ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活 / 國友 公司(彩図社 , 2018)

ヤクザに学ぶ交渉術 / 山平 重樹(幻冬舎 , 2002)

楽園のカンヴァス / 原田 マハ(新潮社 , 2014)

よかった理由は、個人的嗜好ということで省略します。

アンパサンド株式会社 代表取締役 CEO 後藤 康成

シリコンバレーベンチャーにてエンジニアリング経験を積んだ後、インキュベータのネットエイジにて新規事業立ち上げおよびベンチャー投資を担当する。その後自身で立ち上げたB2B SaaS事業をネットエイジからスピンオフしフィードパスを設立。SaaSの黎明期にビジネスブログSaaSやWEBメールのSaaS事業を展開しフィードパスをYahoo! JAPANへ売却。Yahoo! JAPANではソフトバンクとの特殊ミッションを遂行しインドモバイルポータルの立ち上げ、Y! mobile立ち上げを統括する。その後キュービックVPoEを経て、現在はアンパサンドにて起業家支援およびM&Aでの新規事業立ち上げを統括する。著書に「ビジネスブログブック2・3」(毎日コミュニケーションズ)、「Web2.0 Book」(インプレス)、「Web 2.0のビジネスルール」(MYCOM新書)、Webプログラミング(ワークスコーポレーション)など多数。

<第1位> ザ・スタートアップ――ネット起業!あのバカにやらせてみよう / 岡本 呻也(ダイヤモンド社 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
インターネットビジネス黎明期にネットビジネスへと挑む起業家たちが歩んだリアルなストーリー

【どんな人にオススメ?】
1999年からのネット黎明期のカオスと元祖ビットバレー・ムーブメントを知りたい方

【何がよかった?】
これは復刻版で、2000年当時オリジナル版も読んでいます。この本はネットビジネス黎明期の軌跡を赤裸々に語っており、復刻版ではオリジナル版の登場人物が当時の答え合わせ(解説)をしているのが面白い。特に当時在籍していたネットエイジがらみの「ゴールドラッシュの予感」「誕生!ビットバレー」はノスタルジーに浸りながら読みました。

<第2位> 創始者たち──イーロン・マスク、ピーター・ティールと世界一のリスクテイカーたちの薄氷の伝説 / ジミー・ソニ , 櫻井 祐子(ダイヤモンド社 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
シリコンバレーの若者たちが始めたオンライン決済サービス会社「ペイパル」が、イーベイに買収されるまでの激烈な4年間を描いたノンフィクション

【どんな人にオススメ?】
米国インターネット黎明期(戦国時代)の歴史を学びたい方

【何がよかった?】
ご存知ペイパルマフィアであるイーロン・マスクが大統領選のトランプ陣営に加担する前に読みました。イーロン・マスクのX(エックス)への執着心がハンパなく、とにかくすごい。加えてストーリーの迫力とライブ感や速度感に溢れ、まさに全米ベストセラーです。この時代シリコンバレーにいたので、文中に出てくる地名や街並みが目に浮かびました。

<第3位> 世界トップ投資家の共通言語 大化けする人と企業を見いだすために何を見ているのか / 髙岡 美緒 , 曽我 有希(日経BP , 2024)

【どんな本かを一言で!】
世界トップの投資家が数多くの企業との接触を通じて得た企業評価のセオリーである「キャピタリスト・スラング」のオンパレード

【どんな人にオススメ?】
ベンチャーファイナンスのスラング(隠語)を知りたい方

【何がよかった?】
ちょっとギークな1冊です。面白くて面白くてとにかく超速(2時間程度)で読み終えました。というのはスラングの60〜70%くらいは自身の知っているスラングの答え合わせだったからです。知らないスラングやスタンダードと知らなかったスラングも解説しており、世界のベンチャーキャピタリストの人間模様がわかります。

<番外編> 起業は楽しい!21世紀ニッポンの起業家人生入門 / 西川 潔(日経BP , 2005)

【どんな本かを一言で!】
ネットベンチャーの旗手にしてビットバレーの仕掛け人、ITベンチャー起業家たちに「兄貴」と慕われる業界の大物、西川潔の「起業人生のススメ」

【どんな人にオススメ?】
起業家の方々

【何がよかった?】
後藤は今年ダイヤモンド・オンラインのコラム連載をしましたが、その「お里」になった本です。2005年に出版された本で、これまで2度3度ではとどまらず擦り切れるまで読み直しました。

アンパサンド株式会社 取締役 篠崎 健太郎

明治大学卒。2016年に株式会社キュービックに学生インターンとして入社。2019年に同社に新卒入社。SEOを中心としたWEBマーケティングや事業企画を経験。最年少でマネージャー、事業部長を歴任。2022年よりアンパサンドにて執行役員に就任。2024年より同社取締役、株式会社ODD FUTURE取締役に就任。

<第1位> 志を育てる / グロービス経営大学院 , 田久保 善彦(東洋経済新報社 , 2011)

【どんな本かを一言で!】
ビジネスリーダー向けに「志」がどのように生まれるのか、生まれた「志」をどのように育むのか解説する本

【どんな人にオススメ?】
確固たる大望、野望がまだない/探している方

【何がよかった?】
志を螺旋的に発展していく様を、実例と理論を交えて実践的に学べる点。今まで起業家のような猛烈なモチベーションがないことをコンプレックスとして抱えていたが、最初は本書でいう「小志(=まだ大望というほどのものではないフェーズ)」からでも「大志」へと発展させられることを感じられて励みになった。

<第2位> 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 / 野矢 茂樹 , 西村 義樹(中央公論新社 , 2013)

【どんな本かを一言で!】
哲学者と言語学者の対談形式で認知言語学について深掘りしていく本

【どんな人にオススメ?】
哲学と言語学のどちらか/両方に興味がある方、日常のちょっと気になることを突き詰めて考えてみたい方

【何がよかった?】
普段は情報伝達の手段や記号として接することの多い「言葉」に対して、思わぬ角度から深く向き合ってみることの面白さを感じられる。言語学と哲学という隣接する分野の専門家2人の対談形式で、学際的に深ぼられていく様子が小気味良く、あまり哲学や言語学に造詣が深くなくても読みやすい。

<第3位> 資本主義の歴史: 起源・拡大・現在 / ユルゲン コッカ , 山井 敏章(人文書院 , 2018)

【どんな本かを一言で!】
資本主義ができあがるまでの歴史を解説する本

【どんな人にオススメ?】
資本主義とは何か?を経済やビジネス以外の側面からも捉えたい方

【何がよかった?】
当時の人々の生活のリアリティを感じながら「どのような歴史的背景から資本主義が誕生したのか」について理解を深められた点。教科書などで学ぶと、あるタイミングで急に概念として登場する“資本主義”だが、実際には色々な時代のうねりを受けて徐々に姿を変えながら大きくなっており、その様を追体験的に学ぶことが楽しい一冊。

株式会社 ODD FUTURE 代表取締役 長田 竜介

1997年、静岡県生まれ。明治大学卒業後、豊島株式会社へ新卒入社。「前提から結果まで一貫してサステナブルな事業を」という想いから、2020年6月に株式会社ODD FUTUREを創業。コオロギ食品事業をスタートし、派生したプロテイン・アミノ酸OEM事業で成長を加速。プロテインOEMをDXする「Factory X」をキュービックグループと共同で立ち上げ、2024年5月、M&Aによるキュービックグループジョインに至る。座右の銘は「勝てば官軍」。

<第1位> 運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」 / 安田 隆夫(文藝春秋 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
ドン・キホーテが、一代で2兆円企業になれた理由を知れる本

【どんな人にオススメ?】
向上心の強い方

【何がよかった?】
成功者へのインタビューで必ず登場する「運が良かった」という言葉を、とにかく深掘りしたところが良かったです。特に、「運が悪い時にはじっと耐え、損害を最小化し、運の良い時に最大のバリューを取り切ること」を説いていた部分はとても響きました。

<第2位> 新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法 / 五十棲 剛史(ダイヤモンド社 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
タイトルそのままの手法を具体的に書いた本

【どんな人にオススメ?】
0→1を終え、事業を拡大させるフェーズで頑張る方

【何がよかった?】
ちょうど弊社の企業フェーズにハマっており、一語一句が刺さりました。そのまま実践できそうなほどの実務的な内容がしっかりと書かれており、わたしにとってはありがたい本でした。10億円を達成するためには「社長が一切営業現場に出ず、仕組みを作ることに専念すること」が大事。肝に銘じて頑張ります!

<第3位> 粗利「だけ」見ろ 儲かる会社が決して曲げないシンプルなルール / 中西 宏一(幻冬舎 , 2018)

【どんな本かを一言で!】
売上至上主義に陥らず、粗利を出すことだけ考えていれば会社は潰れないという主張の本

【どんな人にオススメ?】
経営される方、事業を管理される方

【何がよかった?】
私の中での第2位だった『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』とは違う論点で、「会社を大きく見せたい」と思う社長の戒めになる本です。この本からの学びによって、「売上額だけ大きい薄利な仕事」を損切りし、利益率の良い仕事へリソースを集中させることができました。

ハイマネージャー株式会社 代表取締役 CEO 森 謙吾

慶應義塾大学法学部を卒業後、PwCコンサルティング合同会社に入社。人事コンサルティング領域に従事し、製造・小売・通信・金融等の大手企業に対して、人材マネジメント戦略策定および人事制度構築、役員報酬設計、残業削減・退職率低下、などのプロジェクト実績を有する。現在はハイマネージャー株式会社を創業し、ハイブリッドワークでの組織のエンゲージメントやパフォーマンス向上を支援する、パフォーマンスマネジメント・サービス「HiManager」の提供およびマネジメント・人事評価に関するコンサルティングを行う。一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 研究員。

<第1位> AI時代の質問力 プロンプトリテラシー 「問い」と「指示」が生成AIの可能性を最大限に引き出す / 岡 瑞起 , 橋本 康弘(翔泳社 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
AIプロンプトの技術を学術的に解説する実践的ガイドブック

【どんな人にオススメ?】
AIや生成AIに興味がある人、特にプロンプト設計について深く知りたい人

【何がよかった?】
AIプロンプトの可能性を学術的かつ実践的に教えてくれるところが魅力です。プロンプトの種類や活用例が丁寧に解説されており、初心者から上級者まで楽しめる内容です。特に、プロンプトを構築する際の工夫や応用の仕方に重点が置かれており、単なる理論に留まらない実用的な知識を得ることができました。AIをより効果的に活用したい方には必読の一冊です。

<第2位>  イーロン・マスク 上・下 / ウォルター・アイザックソン , 井口 耕二(文藝春秋 , 2023) 

【どんな本かを一言で!】
クレイジーさと圧倒的なコミットメントで未来を切り拓く起業家の軌跡

【どんな人にオススメ?】
新しいビジネスを立ち上げたい人や、未知の領域への挑戦に全力でコミットしたい人

【何がよかった?】
イーロン・マスクの考え方や苦難、そして彼がどのような人間であるのかが具体的にわかる一冊(上巻下巻あります)です。彼の独特なアプローチは、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグ、孫正義とはまた異なり、彼自身の個性とビジョンで世界を動かしていることが伝わります。未来を創るにはどれだけの努力と犠牲が必要なのかを知ると同時に、彼の強烈な信念と行動力に大きな刺激を受けました。この本を読むことで、挑戦する勇気と、目標達成のため圧倒的にコミットする姿勢を学べるはずです。

<第3位> 脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法 / 樺沢 紫苑(文響社 , 2016)

【どんな本かを一言で!】
脳科学に基づいて成果を最大化する方法を学べる実践書

【どんな人にオススメ?】
仕事で成果を出したい人、日々のパフォーマンスを向上させたい人、特に自分の努力を科学的に支えたいビジネスパーソン

【何がよかった?】
脳科学に基づいて、人間の能力を引き出す具体的なテクニックが多数紹介されています。アドレナリンやドーパミンといった脳内物質の役割や、それらを効果的に活用する方法が非常に分かりやすいです。「頑張る」ではなく、「脳をコントロールする」という視点が新鮮で、実際に仕事や生活に応用できるヒントが詰まっています。また、無理なく成果を出すための習慣形成の方法や、ストレスを軽減するための科学的アプローチも学べて非常に有益でした。

ハイマネージャー株式会社 取締役COO 五十嵐 未来

2016年4月、PwCコンサルティング合同会社に新卒入社。人事・組織コンサルタント領域に従事し、人事制度設計・組織カルチャー変革・People Analytics・HR Tech領域など幅広く支援。経験業界は商社・化粧品・エネルギー・通信・自動車・建設業界など多岐にわたる。現在はハイマネージャー株式会社のCOOに就任し、カスタマーサクセス・マーケティング領域などを中心に事業推進を担う。

<第1位> 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。 / ほぼ日刊イトイ新聞(株式会社ほぼ日 , 2019)

【どんな本かを一言で!】
経営者・プロダクト開発企業としての一つの正解を教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
・プロダクト開発を行う企業の経営者や開発に関わる全ての人
・チームの中で日々挑戦しながらも悩んで進めている人

【何がよかった?】
任天堂の元社長である岩田聡さんが、任天堂やHAL研究所を伸ばす・立て直す上でどのようなマインドセットで臨み、マネジメントや具体的な行動をしてきたのか?が分かりやすくかつ生々しくまとまっています。岩田さんの意識している「自分がやることが合理的であるのであれば何でもやる」という精神は、自分の理想像にも近く、自分が目指す方向性のロールモデルができたようで良かったです。

何かを開発する上で、経営者やマネジメントとしての立場だけでなく、メンバーとしてもどのようにチームに貢献すべきかのヒントがあると思います。岩田さんご自身が本を出すことはほとんどないため、任天堂の開発の考え方・取り組み方など、ここでしか読めないことも詰まっているのも魅力です。

<第2位> 孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術 / 三木 雄信(ダイヤモンド社 , 2017)

【どんな本かを一言で!】
真のPDCAと目標達成に必要なことが分かる本

【どんな人にオススメ?】
・全ビジネスパーソンにおすすめだが、特に再現性の高いアクションを取れるようになりたい人
・改めて“数値管理”について振り返りたい人

【何がよかった?】
ソフトバンクがなぜ事業成長できるのかについて、戦略など上流の話ではなく、日々の業務ベースで知れました。世の中では“アジャイル”といった言葉も良く使われ、一見計画を立てたり見直したりすることがムダに思えるような論調も溢れている中で、真のアジャイルが何かを教えてくれる本でもあります。

ビジネス本だと「へえ~」で終わってしまうことも多いものですが、『T字勘定でプロセスを見える化する』『1日の内の目標を数字で決め、勝ち負けをつける』などすぐに取り入れやすい具体手法も多分に載っているので実践に繋げやすいです。読むたびに新たな気付きを得られるので、目標達成や数値管理につまづく度に見返すと効果的!

<第3位> 投資としての読書 / 本山 裕輔(フォレスト出版 , 2023)

【どんな本かを一言で!】
読んだ本を自分の血肉化するための本

【どんな人にオススメ?】
・本をもっと読んでいきたいと思っているが中々進まない人
・本は読んでいるもののアウトプットに活用することが難しいと思っている人

【何がよかった?】
『そもそも本を読むときに何を考えて選定していけばよいのか』『選定した上でどのように本を読めばよいのか』が体系的にまとまっていて、このnoteを読んでいただいている方にもしかすると良い本なのではと思いご紹介します。

特に「インプット⇒アウトプットの順番」ではなく、「アウトプット⇒インプットの順番」で本を活用する方が効果的であるという考えは、読書に限らず日々の業務にも活用できると思います。

そして、実はこの著者である本山さんは自分の前職の同期でもありまして。Xでも5万人近いフォロワーを抱えているのですが、このアカウントをフォローしておくと読んだ方が良い本の概要が次々流れてくるので、どんな本を読むか選ぶ際にもご活用いただけるので、是非フォローしてあげてください!

HYACCA株式会社 代表取締役社長 木村 圭介

1984年、秋田県生まれ。2007年弘前大学を卒業。新卒で株式会社ドリコムに入社し、営業と新規事業の責任者として従事後、2010年に株式会社えふななに創業メンバーとして参画。2014年にキュービック入社。メディア事業本部長としてキュービックの柱となるメディア事業全体の統括に従事し、2021年から2024年までCHO(Chief Hito Officer)として人事責任者を務め、現在はキュービック子会社HYACCAの代表取締役社長を務める。

<第1位> ユニクロ / 杉本 貴司(日経BP , 2024)

【どんな本かを一言で!】
ユニクロの前身である小郡商事を柳井正社長が任されてから、今のユニクロになっていく過程の中でどんなことが起こり、どのような意思決定をしてきたのかが描かれている本

【どんな人にオススメ?】
・世の中にインパクトのある大きな会社・事業を作りにいきたいと考えている経営者
・小売ビジネスをやっていて、利益率に課題を抱えているが打開できておらず困っている経営者/事業責任者

【何がよかった?】
・常に世界を見据え、高い目標を達成しきるという経営者としてのスタンス。言うは易しだが、経営者も人間なので、会社がどんどん大きくなってくる過程で自分の能力で乗り越えられるのかといった不安に駆られ、時に高い目標をやり続けることを諦めたくなる瞬間もあると思うが、柳井さんの姿勢を見てると、「やり続けることが普通でそれ以外は選択肢がない」という強烈なリーダーシップにハッとさせられる。
・小売ビジネスをしているとどうしても薄利多売になりがちだが、どうやっていったら利益率を高く保てるのかという打ち手の引き出しを広げることができる。

<第2位> 厚利少売  薄利多売から抜け出す思考·行動様式 / 菅原 健一(匠書房 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
消費者から高い利益をとっても支持される商品・サービスを作っていくためにどんな考え方が必要なのかを教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
・事業をやっていて競合優位性をどのようにつくっていこうか悩んでいる経営者・事業責任者
・会社の利益率の低さに課題を感じている人

【何がよかった?】
・小売ビジネスをやっていると、競合と扱う商品が一緒になるということもある中で、どうしてもコストパフォーマンスの良さで優位性をつくりにいきたくなってしまうが、そうではない戦い方を考えるヒントになった。
・自分達が付加価値だと思ってやっている価値が、実は消費者の本質的価値になっており、それが競合優位性になることもあるという考え方から自分達のビジネスを見直すきっかけになった。

<第3位> インサイト中心の成長戦略 上場企業創業者から学ぶ事業創出の実践論 / 中村 陽二(実業之日本社 , 2024)

【どんな本かを一言で!】
成果を出している事業家がどのように事業領域を選定したのか、どのように市場のインサイトを見つけたのか、どのように事業を立ち上げたのかを事例とともに教えてくれる本

【どんな人にオススメ?】
・起業しようと思っている人
・新規事業をこれから立ち上げようとしている企業内の事業責任者

【何がよかった?】
・自身も会社経営をする中で、事業ドメインの選定に失敗すると取り返しが難しいと感じるし、市場のインサイトを見つける方法に苦しむこともある。どのようなステップで事業を立ち上げていくかなどの型がないなか我流で進めることも多いが、さまざまな経営者の事例を知ることで、自分なりにやりやすい方法を取り入れられる。
・立場も年齢も違う様々な経営者の事例のため、自身の経験にはない考え方も学べる。

まとめ

気になる本はいくつありましたか?

2024年のBEST3×経営者&役員11人=33冊に番外7冊加えて全40冊の書籍リスト(←意外と被らなくてビックリ!)、こちらの通りです!デンッ

どうぞ、お納めくださいっ

ためしに数冊選んで読んでみるもよし。1月いっぱい本の虫と化し、1日1冊ペースで読破もよし。

「おもしろそう」「早速ポチる」「あとで読もう」など、少しでもみなさんのお役にたてたなら何よりです。

※スーパー余談ですが「スキ」「フォロー」「マガジン追加」などは“嬉しい”でしかありません!
私の来年につながるモチベーションになりますですよろしければぜひ!

それでは本年もありがとうございました!よいお年をお迎えください!

さあて、私も読書しーよおっと

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