ショート動画一億再生突破!SNSの環境変化に合わせて戦略を全面的に見直したら、月平均リーチ数が250万以上に爆伸びした話
こんにちは。キュービックの仲田一石と申します。
主にSNS運用やプロジェクトマネジメントの業務を担当しています。
今回はキュービックが運営するお買い物メディア「your SELECT.®︎(ユアセレクト)」で行なった施策をご紹介します。
半年で目標のフォロワー1万人達成、リーチ数も順調に伸ばし続けるものの…
運用を始めたのは2021年10月です。ちょうどその頃に入社し、your SELECT.のInstagram運営を任され、著名なタレントやインフルエンサーの方々にご登場いただいたり、プレゼントキャンペーンなどを打ったりと、憧れを感じさせるライフスタイルを軸としたコンテンツを発信していました。
平均リーチ数は月37万ほどまで増加し、アカウントを開設した当初掲げていた1年で”フォロワー1万人”という目標を半年で達成できました。
しかし2022年の7月頃から壁にぶち当たることになります。リーチ数が減少し、フォロワー増加数も急激に鈍化しはじめたのです。
要因を調査していくと、Instagramのアルゴリズムがフォロワー偏重からユーザーの興味関心に沿ってコンテンツを表示するレコメンド偏重へ急激にシフトしたことが判明しました。従来はフォロワーが多ければ多いほど、コンテンツが見られる回数も増えていったので、フォロワー数の成長がアカウントの成長に繋がっていました。
しかしアルゴリズムがレコメンド偏重へと変わったことで、たとえフォロワー数が多かったとしてもユーザーにとって需要のあるコンテンツでなければ届かない状況に変化していたんです。
これによりSNSの戦略を全面的に見直す決断をしました。最も大きな決断は、従来のリーチ数を最も担保できていたインフルエンサー施策やキャンペーンを中止し、フォロワー数を目標数値として追わないということでした。your SELECT.のブランドコンセプトを軸に、コンテンツの制作方針を再精査することにしたのです。
※ブランドリニューアルのお話は、別記事でくわしくご紹介しています。
その拠り所となったのが、your SELECT.のブランドリニューアルでも触れた、ブランドガイドラインの存在でした。ターゲットペルソナ(仮想的なユーザー像)を、Primary、Secondaryとわけて明示化した同ガイドですが、偶然にもSNSプロジェクトチームメンバー(以後、ミキさん)が、まさにSecondaryのペルソナとドンピシャだったんです(笑)。
「商品の選び方なんて、正直興味がないんですよね」と言われた
Secondaryのペルソナが意外と身近にいたことを活かして、ミキさんの感覚を尊重したコンテンツ作りを模索してみることにしました。
もちろん彼女の感覚に偏ったコンテンツばかりになることでのデメリットもありますが、そこは定量でモニタリングしたり、不定期で社内外のターゲットに近い女性にヒアリングしたり定性で、アカウントへのフィードバックをもらう機会を設けることでカバーできます。
そういった最低限のルールだけ決めて、ミキさん自身が純粋に見たいと思うコンテンツをつくりはじめました。
当初はカルーセル(複数画像)とショート動画の投稿を両方行っていたのですが、ミキさんから最近はカルーセル投稿は見なくなったという発言があり、ショート動画に専念することにし、同形式で投稿可能なYouTubeとTikTokのアカウント運営を開始。
さらにミキさんから言われて衝撃的だったのが「商品の選び方のコンテンツを作っていましたけど、正直ユーザー視点では興味がなかったんですよね」という発言。これまでは”卵焼きフライパンの選び方”や”パン切り包丁の選び方”などキッチンツールを選ぶ際のポイントなどをカルーセル投稿にまとめていました。しかしミキさんから、「そもそも買う予定のないものの”商品の選び方”を提案されても、視聴したいとは思わない」とのこと。これまでのコンテンツもミキさんが携わってくれていましたが、あくまでそれは仕事としてやっていて、本心ではそう思っていたのかと(笑)。
そういった過程を経て「気になる商品の”特徴”」に焦点を当てたコンテンツ制作を進めていったところ、ちょっとずつエンゲージメントが上向きになっていきました。
継続してユーザー調査や投稿のPDCAをまわしていくうちに「自分が想像もしていなかった商品を発見したい」といったインサイトが隠れていることもわかってきました。そこでミキさんが商品を買った実体験を動画で表現してみることに。するとユーザーのエンゲージメントが劇的に高まりはじめたのです。
何度ヒアリングをしても「ほしい」「かわいい」の分解はできない
実体験を伴うレビュー動画を扱うにあたり、商品選定は重要な要素の一つです。エンゲージメントを高めた商品選定の再現性を持たせるため、ミキさんにインタビューしたりコメントの要素分解をしましたが断念しました。
というのも「かわいい」「素敵」と言った表現が多様されていたのですが、”なぜそれがかわいいと思うのか?””なぜ素敵だと考えるのか?”など深掘りするのですが、ご本人も感覚の域で選定しており、自分がそれを言語化・数値化すると大きなズレをつくってしまうリスクがあると思いはじめたからです。そのため商品選定は「ペルソナの直感に任せる」という方法が最善であると結論付けました。
企画会議も最小人数で
当時、私とミキさんで企画を考え、your SELECT.(Webメディア)の編集部員に、「こんな内容の方針でいこうと思う」という内容のプレゼンテーションを行っていました。毎回彼らからフィードバックがあったのですが、「参考程度に」と前置きがある場合であっても、ほぼ意見を反映していました。
しかし、その工程がユーザーではなく彼らが納得する企画偏重になり、ユーザーに深く刺さるようなインパクトのあるアイデアが出にくくなっていることに気づき、思い切って事前にフィードバックをもらう工程を省きました。そうすることで、ユーザーに向けて思い切った企画を考えコンテンツ作成できるようになっていったのです。
投稿テクニックよりもコンテンツを磨く
SNS運用において、当初は投稿のタイミングやハッシュタグ選定などにも日々時間をかけて対応していました。
しかし、最近の主要SNSはレコメンドエンジンが非常に優秀ですし、定量データを眺めているうちにコンテンツの内容に磨きをかけることに注力することこそが本質的かつ絶対的な価値だと思うようになり、その優先度を落としました。
「
何時に投稿するのか?」なども、時間ごとのリーチ数を見ながら30分刻みでABテストしたこともありましたが、今は「昼休みに見てもらうために午前中に投稿しよう」などざっくりとしか意識していません。
スワイプ文化で巻き起こる、0秒アテンションの重要性
現在の時点で、ショート動画制作の定量データは、再生数・視聴維持率・平均視聴時間を特に重視しています。
また、それらを伸ばすためには、共感や意見を元にコメントしたくなるコンテンツであることが肝になると考えていて、コンテンツ企画時にどんなコメントをしてもらえるか想定し、ブラッシュアップしていきます。
例えば同じ激辛チーズカレーを紹介するにしても、「辛い」というコメントをしてもらいたい場合は”辛さを表現する赤さ”や”食べる人の汗”にフォーカスします。一方で「おいしい」というコメントが欲しい場合はたとえば”チーズのとろみ”を全面に出した方が良さそうです。さらに、保存数をたくさんつけたいなら、レシピ情報を添えるなど、伝えたい方向性・出したい成果によって、魅せる場面も変えています。
ショート動画はTikTok,Instagram,YouTube 1年で1億回再生
トライアンドエラーを繰り返すうちに、結果も出てくるようになりました。
ショート動画の再生回数は約1年間でトータル1億回再生(Instagram、TikTok、YouTubeショートの累計)を突破し、旗艦のWEBメディア「your SELECT.」での指名検索数は前年比259%となりました。
この結果に満足することなく、「 your SELECT.」をペルソナの方に限らない、もっと多くの方に知ってもらい、使っていただける存在にしていきたいと考えています。
■your SELECT.について
your SELECT.®︎(ユアセレクト)は、「買い物、本来の"ときめき"が生まれる場所をつくる。」をブランドコンセプトに、"永く愛用できるもの"を専門家たちが厳選して紹介するお買い物メディアです。Webメディアに加え、公式SNSでも買い物情報を発信中。LINE公式アカウントでは、新着記事やお得なセール情報をお届けしています。
公式Instagram https://www.instagram.com/your_select_life/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@your_select_life
公式YouTube https://www.youtube.com/@yourselect./shorts
公式X https://twitter.com/yourselect_life
LINE公式アカウント https://lstep.app/zsfbAPw
\ キュービックでは、一緒に働く仲間を募集しています! /
記事を読んで、少しでもご興味をお持ちいただいた方はカジュアルに面談などいかがでしょうか!詳細は以下採用サイトをぜひご覧ください!